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より詳しい見分け方

 
文・園部浩一郎
絵・谷口高司

秋の渡りも終り、冬鳥が次々と渡ってきています。11月1〜7日は「バードウォッチング・ウィーク」。各地の水辺からはカモメやカモの便りが聞かれ、野鳥をじっくり観察するのに絶好の季節となりました。

今回、ご紹介するのはゴビズキンカモメ(Relict GullまたはMongolian Gull Larus relictus)。ゴビズキンカモメは、きわめて極地的にしか分布しておらず、英名や学名は「relict=残存種」に由来しています。

本種は1929年に採集されたただ1体の標本をもとに、1931年にニシズグロカモメの1亜種として記載されたものの、学者の中にはオオズグロカモメとニシズグロカモメとの雑種ではないかという人もいて、長い間、謎の鳥となっていたのでした。その後、1963年にゴビズキンカモメの集団繁殖地が発見され、ようやく1つの種として認められるようになったといういわくつきのカモメです。

繁殖地は、ソ連(当時)カザフスタン東部・バイカル湖東南部、モンゴル、中国の一部のステップや半砂漠地帯にある塩分のある大きな湖沼で、単独で、あるいはオニアジサシ、ハシブトアジサシ、オオズグロカモメなどと共に集団繁殖地をつくります(ロシア共和国版「レッドブック」によると、ソ連(当時)国内では1500〜1800つがいが営巣しているとのこと)。

しかし、越冬地は東南アジアや中国南部と推測されるものの、未だによく分かっていません。ワシントン条約の付属書Iにも記載されている本種の保護のためには、越冬地を明らかにすることが必要です。最近では、数年前に中国北京郊外の明十三陵近くで3羽が観察された(季節は不詳、ベン・キング氏による)ほか、昨秋(1986年)には、中国渤海湾に面する北戴河で成鳥1羽が観察される(オリエンタル・バード・クラブ会報による)など、オオズグロカモメに近い分布をもつ本種の西日本への渡来の可能性をうかがわせる記録が出てきました。

ソ連(当時)のトムコビッチ博士からの最新情報によると、ソ連の学者の手でバイカル湖東南部の繁殖地で1986年に200羽、87年に300羽のヒナに、緑の小旗付きのプラスチックリングをそれぞれ左足と右足に付けたということです。もし幸運にも、どこかで本種を観察した場合には、足にも注目してください。

とはいっても、図鑑などには冬羽、若鳥羽の記載がなく、はっきりしないのが実状です。下の図は、冬羽は「Seabirds (P. Harrison)」にある冬羽の想像図を、若鳥羽は数年前にモンゴルの本種の繁殖地に行ったロビンソン氏の小さな写真から、それぞれ写したものです(若鳥の写真は8月に撮影されたもの)。

大きさについても測定値のデータがないので不明ですが、モンゴルでの写真を見ると、本種はオオズグロカモメとユリカモメの中間よりやや小さめといった感じです。

類似種との見分け方は、夏羽では、黒い頭巾の形(後頭部の切れ込み方)、目の上下にある大きな白斑、夏羽・冬羽では、赤黒いくちばしと足、翼をたたんだときに先端部の黒色部に出る白い斑、翼下面が翼の先をのぞいてほとんど白いことなどが特徴になるかと思います。


なお、数年前、木村力さんによって本種と思われる種が大阪湾で観察されたことがあることを付記します。

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