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より詳しい見分け方

 
文・園部浩一郎
絵・谷口高司

爽やかな風に吹かれてアジサシの群れが白い尾をなびかせて干潟からふわりと舞い上がります。そんな光景を見て、初夏の訪れを感じる人も多いのではないでしょうか。今回はアジサシとそれによく似たキョクアジサシ、ベニアジサシとの見分け方についてとりあげます。

日本では、アジサシ(全長35cm)は旅鳥として春秋に全国の主に海岸に渡来、ベニアジサシ(全長38cm)は夏鳥として南西諸島に渡来します。キョクアジサシは極北部で繁殖、南半球の高緯度地方で(北半球の)冬を越すという、1年で地球をほぼ一周する距離を渡る鳥として有名ですが、日本や東南アジアではまだ正式な記録はありません。しかし、ユーラシア大陸ではシベリアから北欧の極北部にかけて広く繁殖しており、渡りの時期にはアジサシの群れの中などに少数が混じって日本を通過している可能性もあります。

3種の成鳥同士を見分ける場合、飛翔時の翼のパターンの違いが大きなポイントになります。アジサシの翼上面では、初列風切羽の外側数枚が暗色、翼下面では同じ羽の後縁に境界がぼやけた黒線が出ます。キョクアジサシでは翼上下面とも、初列風切の最外側羽の外縁から外側数枚の後縁にかけて、細くはっきりとした黒線が出ます。ベニアジサシでは翼上下面とも、翼の後縁がすべて白いことが特徴です。また翼下面から青空を背景に見た場合、アジサシでは初列風切羽の内側数枚が透けて見えるだけですが、キョクアジサシでは初列風切羽から次列にかけて広い範囲で透けて見えることが特徴です。

地上に止まっている時には、アジサシはとじた翼の先と尾の先がほぼ同じ位置、ベニアジサシは尾の先の方がずっと出る、キョクアジサシはその中間という違いがあります。

この他、見分けの補助的なポイントとして、アジサシは夏冬とも黒いくちばしと足、(ただしシベリア中部で繁殖する別の亜種、アカアシアジサシは足が赤く、くちばしも赤で先端だけ黒い)、尾羽の最外側に黒線があること。キョクアジサシは、アジサシより短く太いくちばし、より短い足と首、きれいな曲線を描いた頭、夏羽では下面がアジサシより濃い灰色をしていること。ベニアジサシでは、アジサシより細長いくちばし、背中は3種中もっともうすく、夏羽でも下面は白いこと、などがあげられます。

「British Birds」の最近号によると、下の線画のように採食にあたってのダイビング方法のそれぞれの特徴が北米で観察されています(これが日本でもあてはまるかどうか、皆さんの観察例をお知らせください)。

それによると、アジサシは停空飛翔からよく直接水面へダイビングしますが、獲物に近づく時に前進しながらしばしば図のようにぐるりとターンをします。キョクアジサシは水面上10mぐらいの高さでいったん停空飛翔したあと垂直に降下し、再び停空飛翔をよくします。ベニアジサシは飛びながら適当な獲物を見つけると停空飛翔なしにそのままダイビングする傾向があります。アジサシとキョクアジサシは、時に同じ群れを作って採食しますが、ベニアジサシと他の両種が一緒に採食することはめったにないとのことです。



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