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より詳しい見分け方

 
文・園部浩一郎
絵・谷口高司

今回は、オーストラリアのごく一部だけでしか見つかっていない「ナゾシギ」Cox's Sandpiper(Calidris paramelanotos)が登場!

登場したのはいいのですが、和名もついていないというほど謎につつまれたシギなのです。このナゾシギ(以下こう呼びます)、1982年に新種として発表され、これまでの記録はほとんどオーストラリア東南部のビクトリア州からしかありません。他のオバシギ(Calidris)属の鳥と同じように、シベリアまで渡って繁殖するらしいのですが、渡りの経路であるはずの東南アジアや日本、それに繁殖地であるはずのロシアからも報告はゼロ。

ここではINTERWADER(本部・マレーシア)の会報に載ったJ・ホーウズさんの文を紹介します(昨秋(1986)出版された識別図鑑 SHOREBIRDSにもナゾシギは載っていますよ)。ホーウズさんは、この鳥の渡りの経路などがわかれば、と期待しています。春秋の渡りの時期には日本にも来るかもしれません。さあ皆さんも目を皿にして探してください。

さて、ナゾシギの特徴ですが、大きさはウズラシギ、サルハマシギに近く、形はこの2種を合わせたような感じです(学者の中にはナゾシギは雑種であるという人もいます)。細かい点を見てみましょう。嘴は、ハマシギとサルハマシギの中間の長さで下に曲がっていて、色は黒く、中には下嘴の基部が黄色っぽい個体もいます。脚の色は、黄緑色、緑褐色、または暗オリーブ色。非生殖羽では、上面が灰色で、ウズラシギよりも軸斑のコントラストが少なく、ハマシギやサルハマシギよりははっきりしています。眉斑はサルハマシギほど明瞭ではありません。下面のほとんどは白ですが、胸とのどの間に暗色斑があります。生殖羽では、耳羽は褐色味を帯び、背の羽の羽縁は栗色〜バフ色です。腰の羽は黒褐色で幅の広い淡色の羽縁があります。下面は非生殖羽に似ていますが、わきと下尾筒に暗色斑が少しあります。幼鳥羽はまだまったくわかっていません!翼帯はサルハマシギとウズラシギの中間ぐらいの細さで色は白っぽく、上尾筒の中央部は暗色でバフ色の羽縁を持ちます。上尾筒の両側は白く、細い暗色の山形模様が出ます。飛翔時、足指は尾端に達します。

似たシギとの識別点ですが、ウズラシギやアメリカウズラシギとは、ナゾシギの嘴のほうが長くて暗色で、より下に曲がっていることと、はっきりした白い翼帯があることで見分けられます。また、胸の斑と、白い腹との境い目は、アメリカウズラシギほどはっきりしていません。サルハマシギとは、ナゾシギの上尾筒はサルハマシギのように全部が白くなく、中央部が暗色なことでわかります。ハマシギと比べると、ナゾシギは大きくて、緑色っぽい脚をしていて、肩羽の軸斑は暗色でコントラストがはっきりしています。

要するに、上面を洗い落したウズラシギの体に、サルハマシギの嘴をつけたようなシギがナゾシギというわけです。

このナゾシギの絵を描き終った谷口さん、「シラガが100本は増えたぞ。よくぞ抜けなかったもんだ」と一言。本業の理髪業の技術を生かして抜毛だけは防いだようです。


さて、谷口さんをこれだけ苦しめたナゾシギ。日本で見つかるかどうかは、皆さんの双肩、いや二つの目にかかっています。
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