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文・園部浩一郎
絵・谷口高司 |
今年の冬(1986〜87)は、ギンザンマシコが本州(青森、長野、広島)にも現われるなど、赤い鳥の南下が目立つようです。前号に続き、今回も冬の北海道など北国で新記録が期待される鳥の中から、水鳥類5種をご紹介します。これら5種はいずれも主に北米大陸に分布し、一部はアリューシャン列島(ホンケワタガモはシベリア東北部)でも繁殖しています。
キタホオジロガモ(Bucephala islandica 全長46cm、ホオジロガモと同大)は、雌雄ともにホオジロガモによく似ていますが、本種の方が長い頭、でっぱったおでこ、短いくちばしが特徴的で、飛翔時には翼上面(大雨覆から次列風切にかけて)の大きな白斑が細い線で2つに分かれる(ホオジロガモでは線がなく白斑が大きい)点が異なります。雄の場合、顔がホオジロガモでは緑色光沢をもつが、本種では紫色光沢をもつこと(光線状態により、色合いがよくわからないことも多い)、飛んだときにはホオジロガモでは背面に縦に2本の白線が出るが、本種では2本の白点のつながりとなります。また、雌はホオジロガモよりも上面が暗色なこと、くちばしの黄色部が大きい点が異なります。
ホンケワタガモ(Somateria mollissima 全長61cm、カルガモとほぼ同大)は、雌がケワタガモ雌とよく似ています。ケワタガモ雌よりも本種雌の方が、くちばしが長いこと、くちばし付け根側の切れ込みがより深く鋭角なこと、わき腹と肩羽の模様がたて縞なこと(ケワタガモでは、それぞれ三日月斑と小黒斑)で見分けられます。雄の第1回冬羽は雌に似ていますが、胸が白い点が異なります。1971年2月、北海道東部落石岬で雌1羽の観察記録(写真なし)があります。
コバシウミスズメ(Brachyramphus brevirostris 全長24cm、マダラウミスズメと同大)は、夏羽がマダラウミスズメ夏羽によく似ていますが、本種の方がくちばしが短いこと、外側尾羽が白い(飛び立ち時には見やすい)こと、腹部が白い(飛翔時に見える)ことなどが異なります。冬羽では、顔の白色部が大きいこと、腹にほぼ完全なバンドがある点が特徴的です。本種は北海道近海で目撃例があるといわれています。
アメリカウミスズメ(Ptychoramphus aleuticus 全長23cm、ウミスズメよりわずかに小さい)は、大きな特徴がなく、上面は一様な濃灰色、腹部は白色です。近距離からの観察の場合、黒いくちばしは太短く、下くちばしの基部と、目が淡色なこと、目の上下に三日月形の小白斑があることで他種との見分けができます。本種の冬羽と幼鳥羽は、成鳥夏羽によく似ています。
ハシグロアビ(Gavia immer 全長81cm、ハシジロアビと同大かやや小さい)は、夏羽冬羽ともハシジロアビとよく似ていますが、本種のくちばしはまっすぐとがっています。夏羽では、本種のくちばしは黒い(ハシジロアビでは黄色い)こと、冬羽では、本種のくちばしは灰色なこと、上面が褐色味のない暗色なこと、顔が暗色なこと(ハシジロアビでは、それぞれ黄白色、茶褐色、淡色)で見分けられます。またオオハム冬羽とは、同種の方が頭からくびにかけての黒白の境界がはっきりしており、えりの部分の白い切れ込みがないこと、おでこのでっぱりが少ないこと、大きさが二回り小さいこと(時にハシグロアビでオオハムと同大の小さな個体もいる)で見分けられます。
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