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文・園部浩一郎
絵・谷口高司 |
1年中で一番寒い季節がやってきました。今冬(1986〜87年)の北国はベニヒワなどの「赤い鳥」の当たり年のようですが、今回と次回は、冬の北海道など寒い地方で新記録が期待される鳥をとりあげたいと思います。今回は、カラフトフクロウ、オナガフクロウ、スズメフクロウ、ウタスズメ、ベーリングユキホオジロの5種について、ご紹介します。
カラフトフクロウ(Strix nebulosa)、オナガフクロウ(Surnia ulula)、スズメフクロウ(Glaucidium
passerinum)の3種は、ユーラシア大陸からサハリン北部にかけて(前記2種は北米大陸北部も)留鳥として生息しているフクロウ科の鳥です。留鳥といっても、前記2種は餌となるげっ歯類の増減の周期と関連して、餌の不足する年には冬に南下することがあります。例えばオナガフクロウのヨーロッパでの最近の南下年は1983〜4年の冬でした。スズメフクロウも、冬の寒さと餌となる小動物の増減によって、ときに冬期南下するといわれていますが、その周期は不規則です。そんな彼らが、北国の林に姿を現わすのはいつのことでしょうか。
カラフトフクロウ(全長70cm)は、ほぼシマフクロウ大で、顔にある同心円状の何重もの暗色の輪が何よりの特徴です。この他の点では、フクロウとはフクロウは目が黒く大きさも2回り小さいこと、ワシミミズクやシマフクロウとは両種とも長い耳羽をもつこと、体色が褐色であることで見分けられます。
オナガフクロウ(全長37cm)は、ほぼコミミズク大で、白い顔盤に黒い縁どりのある耳羽のない顔、胸から腹へかけての横じまと、長く先の丸い尾が特徴的です。目とくちばしは黄色です。木や電柱のてっぺんによく止まるようです。
スズメフクロウ(全長16cm)は、ほぼホオジロ大の小型のフクロウで、一見キンメフクロウに似ていますが、ずっと小さなことと、顔盤に3重の輪があることで見分けられます。
3種とも夜行性ですが、昼間採餌のために狩りを行うこともあります。
ウタスズメ(Melospiza melodia 全長14.5〜18cm)は、北米大陸中央部からアラスカにかけてすむホオジロ科の鳥で、亜種によって大きさや体色、くちばしの形がかなり異なります。下の図には、日本に渡来する可能性が一番高いアリューシャン列島に生息する亜種を示しました。林縁や水の流れの近くのブッシュを好み、長く先の丸い尾、幅の広い灰色がかった眉斑、白っぽいのど、鼻にかかったようなチンという地鳴きが特徴です。よく似たサバンナシトドとは、短い凹尾、白っぽい頭央線、目の前にある黄色部(ない個体もいる)などで見分けることができます。
ベーリングユキホオジロ(Plectrophenax hyperboreus 全長18cm)は、ベーリング海の小島でだけ繁殖し、アラスカ本土の西南海岸やアリューシャン列島で越冬するユキホオジロの近縁種です(プリビロフ島などでは、ユキホオジロの雑種と思われる個体も観察されています)。雌雄・夏羽の各羽とも、ユキホオジロより全体に白っぽく、特に尾羽の黒色部が小さいことが決め手となります。
今回の種の選定で相談にのっていただいた高田勝さん(根室支部)は、ユキホオジロの群れに交じる本種を見ることを夢見ているとのことでした。昨年(1986年)のコウライアイサのようになるといいですね。
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