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文・園部浩一郎
絵・谷口高司 |
たちこめる霧の中から、岩に砕け散る荒々しい波の音が聞こえる。海岸の岩棚ではウミウが子育ての真っ最中……。初夏の北海道東部の岬での光景が目に浮かびます。
日本ではウの仲間は、カワウ、ウミウ、ヒメウ、チシマウガラスの4種の記録がありますが、ここではよく似ているカワウとウミウの見分け方をご紹介します。
カワウ(全長82cm)は、本州と九州の一部で局地的に繁殖、樹上に集団で常巣します。繁殖期は、たとえば東京都上野・不忍池では9〜6月、青森県下北半島では3〜8月と、繁殖地によって違いがあります。東北地方のカワウは、冬は関東以南へ移動し、主に、内湾、河川、湖沼などで採餌します。
ウミウ(全長84cm)は、関東以北の太平洋、九州以北の日本海の外海に面した岩棚などで局地的に集団で繁殖しています。繁殖期は5〜7月で、冬は全国の外海に面した岩の多い海岸で見られます。
このように、通常カワウとウミウは生息環境の違いや、成鳥の場合はカワウの背は茶褐色であるのに対し、ウミウの背は緑色光沢を帯びることなどで見分けることが多いのですが、若鳥の場合は背中の色では見分けられないし、上野動物園飼育課の福田道雄さんの話によると、とくに春のウミウの渡りの時期には、上野・不忍池ではカワウに混じって1、2羽のウミウが見られることがあるそうですし、なかなか油断なりません。福田さんによると、両種が並んでいる時には、ウミウはカワウよりも大きいこと、頭頂から後頭にかけてのカーブが、ウミウでは直線的だがカワウではゆるやかなこと、などで見分けられるとのことでした。
さらに、近距離から観察できる場合には、くちばしの付け根にある黄色い皮膚の裸出部の形に注目してください。
黄色い皮膚の裸出部が、カワウでは、くびの方に向かって丸くゆるやかなカーブを持つが、ウミウでは、くちばしの付け根付近でくびの方に向かって細くとがること、カワウでは、目の周囲の皮膚の裸出部は目立たないが、ウミウでは、目の周囲にも狭く裸出部がある、面積がカワウでは大きく、ウミウでは小さいこと、などの違いがあります。
なお、カワウは世界的に広く分布し、8亜種に分類されていますが、ここに述べた黄色い皮膚の裸出部の形による見分け方は日本に分布するP.c.hanedaeと、ヨーロッパ中南部からアジア、中国に分布するP.c.sinensisについては、当てはまります。
また、下の図にあるカワウとウミウの若鳥は、両種とものどから腹にかけての白色部の出方がさまざまあることを示したもので、両種の若鳥の見分け(たとえば、ウミウの若鳥のほうが白っぽい、といったような)を示したものではありませんので、ご注意を。
本稿の作成にあたっては、前述の福田さんに多くのアドバイスをいただきました。福田さんは、カワウとウミウの年齢、季節毎の見分け方について、いずれ詳しくまとめる予定があるということです。
皆さんの両種の観察結果をお寄せください。本欄の見分け方は1つの提案ですので、皆さんの観察結果で修正を加えていきたいと考えています。
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