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ひなこのお散歩鳥講座
NOTE80 1月 鳥とヒトの歴史…鳥とけものは新参者
葉が落ちて鳥の姿を見つけやすい季節です。寒い冬でもどうして鳥たちは元気なのでしょう…。今月から鳥と私たち人間の同じところ、違うところを考えてみます。

冬は太め?

イラスト
イラスト/小島早恵
ひなこ(以下ひ)チッ、チッて声がするよ。アオジかしら?
安西(以下安)高いところから聞こえるから、アオジではなさそうだ。
なるほど、アオジだったら低い茂みにいることが多いものね。
僕は声の主はシメだと思う。
シメなら太めだから、あそこの枝にとまってるのがそうかしら? 
どれどれ…シメほどくちばしが太くない。それに、尾羽もシメより長くない?
あらま、ほっぺに黒い斑があるわ。よく見たらスズメでした。
寒い時、羽をふくらまして体温が逃げるのを防ぐようにしていると太って見えることがあるんだよ。
それじゃ、その奧の方にとまってるのは尾が短く見えるけど…、でも、シメだとしたらスズメより大きいよね。
遠いから小さく見えてるんじゃない? 大きさは距離や状況によって違って見えるから。体型にしても寒さで羽をふくらましていると太めに見えたり、警戒や緊張によって細く見えたりするし。
やっぱり、見分けるには慣れが必要ね。
聞き分けるにも慣れがいる。慣れるには楽しんで続けることが大事だけど、シメの声は似たのが多くて難しい(*1)から後回しにしといて、もっとわかりやすい声からはいるようにするといいよ。
あっ、飛んじゃった。
飛んだ時こそ、尾羽や翼の白斑、波状飛行というシメの特徴がわかるよ。
遠くて模様はわからなかったけど、ヒヨドリみたいな波形に飛んだわ。

冬も活動的なワケ

それにしても鳥って冬でも元気だよね。
人間も鳥に近い動物なんだから、寒さに負けないようにしたいね。
えーっ、鳥と私たちってどこが近いの?
ひなこちゃん、平熱は何度ある?
36度何分だったかな。でも、どうして平熱が鳥と関係あるの?
36〜37度の体温を維持するのはほ乳類の特徴なんだ。鳥類は40〜42度と高めだけど、体温を保つ動物という点では共通している。
私たちはほ乳類の一種なんだね。
どこの国のどんな人でも、動物界の脊椎動物門のほ乳類で、霊長目ヒト科の1種、ヒトなんだよ。
霊長目って、サルの仲間だよね。
霊長類やサル目とも呼ばれ、モグラなどの食虫目、ネズミ目などおよそ20目のひとつ。霊長目は200種ぐらいいて、ヒト科は僕たちヒト以外は絶滅しちゃったけど、近縁のショウジョウ科(オランウータン科ともいう)にはチンパンジーやゴリラがいる。
鳥ではスズメ目が一番種類が多いって聞いているけど、スズメ目なら200種以上になるよね。
鳥類27目の中で、スズメ目は60科5千種を超えている。ホオジロ科だけでも550種になるよ。いずれにせよ現在地球上にいる生物では、ほ乳類約4千種と鳥類約9千種だけが体温を保てる仲間で、「恒温動物」と呼ばれるんだ。
鳥以外でも、サルとかシカとかほ乳類では冬も活動的なのがいるけれど、トカゲやカエルは見ないし、虫も少ないもんね。
は虫類や両生類は冬眠しているし、無脊椎動物の虫などは短い一生は終えていて、冬は卵などで子孫をつなぐものが多いんだ。

200万分の一?

46億年ほど前に太陽を回る惑星として地球ができて、その後、海で生命が生まれたことは話したよね。
うん、海でいろんな生物が進化して、その一部がサカナになるんでしょ。
5億年ほど前に魚類とともに脊椎動物の歴史が始まって、陸を目指して両生類、水辺を離れて乾燥に耐えられるは虫類が生まれた。おおざっぱに言えば、は虫類のうろこを羽に変えて鳥類、毛に変えてけもの、つまりほ乳類が生まれ、ほ乳類の一部がサルの仲間となって、その一部がヒトに至るわけだ。
ヒトの歴史は短いのね。
ヒトどころか、ほ乳類も鳥類も1億年ちょっとの歴史しかない。は虫類、両生類、魚類は私たちの先輩で、その先輩は無脊椎動物、植物や微生物は大大先輩と言える。
地球の歴史から見ると、私たちが下等と思っているものほど先輩なのね。
そのかわり鳥とけものは先輩たちにない体温維持のほかに、学習能力や子育ての習性を得た。
なるほど、たくさんの先輩たちのことを考えたら、鳥と人は近いんだ。先輩たちって、いったい何種になるのかしら?
多くの先輩は種としてはすでに絶滅しちゃっている。今、この星に生きている生物種はわかっている範囲でだいたい200万種弱ってところかな。
野鳥の1種も私たちヒトも、生物としては200万分の一ってわけね。

イラスト
自ら栄養をつくる生産者は植物界(イラストではコケから左)、ほかの生物を食べて栄養を得る消費者は動物界(無脊椎動物から右)などに分類され、動物界はさらに30以上の門で分けられる。その一つが脊椎動物門(魚類から右)で、門はさらに綱(類)、目、科、属、種とわけられる。

企画・文/安西英明(普及室)

(*1)
ホオジロ科の多くが、シメのようにチとかツと聞こえる声で鳴く。庭や公園でよく聞かれるのはアオジ(ただし、北海道では冬を越さない)。戻る↑
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