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木の葉が色づく頃、カモのオスは衣替えが進んで見分けやすくなります。地味なままのメスはどれも似ているけれど、2つの仲間にわけると種を見分けやすいそう。どこが違うのかしら?
深まる秋

イラスト/小島早恵 |
ひなこ(以下ひ)あー、よかった。カモがだいぶ色づいてきたよ。
安西(以下安)カモにとっては冬の求愛シーズンが近づいてきたってことだ。
ひだんだんと色づいて、色気づいてくのね。
安オスは派手になってメスに求愛しないとペアになれないから、色気づくって言われたらそうかも知れないけど…。僕は秋の深まりを感じるなぁ。
ひ秋の深まりねぇ…。私なんか見分けやすくなって嬉しいだけだけど。
安まず、暑い夏の最中でもカルガモの喚羽(*1)が始まって秋を予感させる。9月から冬鳥のカモの渡来が始まり、やがて数や種が増え、公園の池などでは次第に人をおそれなくなる。カルガモ以外はオスが徐々に衣替えをし、オスの声(*2)も聞かれるようになって冬へと進んでいくんだ。
ひふーん、なんだか寒くなる冬も楽しみになってきたわ。
安「カモのオスの声や求愛ダンスは冬の楽しみ」と言えるけど、それらは急に始まるわけではない。季節は連続しているんだ。
ひ考えてみると、冬鳥のカモはロシアとかアラスカから渡って来るんだよね。オナガガモみたいに人の足元までやってくるようになるとずうずうしいなんて思っちゃうけど…。
安短い夏の間、天敵に囲まれながら子育てを終えて、海を越えてくる彼らのドラマを想像してごらん。
ひうーん、ツンドラの大地でキツネやタカに食べられてしまうものや、渡りの途中で命を落としてしまうのもいたんでしょうね。
安長い旅の間には天敵はいるし、嵐だってある。鉄砲で狙われもする。
ひとぼけた顔をしているけど、大変だったのね。それに、冬にペアになれたとしても春にはまた北上しなくちゃならないなんて、私、カモじゃなくてよかったわ。
潜るかも?
ひあそこのマガモはもう、頭がきれいな緑になっているわ。こっちは胸が白くなってきたオナガガモでしょ…、オスはだいたい見分けられるようになってきたわ。
安マガモのメスはわかる? 大きさや体型はカルガモに似ているけど。
ひあそこのオスの横にいるのがメスじゃないの。マガモやオシドリはオスの衣替えもペアができるのも早いって教えてもらったもの。
安うーん、そういう見分け方があったか。
ひだって「カモのメスは最初から見分けようとしない方がいい」って安西さんが言っていたじゃない。タカやカモメみたいにどれも似ているからって。
安そうなんだけど、仲間がわかれば絞れるから、そこに浮いているメスにチャレンジしてみよう。
ひえー、何? そこのカモ? さっぱりわかりません。茶色っぽいだけで全然特徴ないもの。
安すぐにわからなくて当たり前。もうちょっとよく見てみようよ。
ひだって、くちばしが平たいからカモの仲間、ぐらいしかわからないよ。
安カルガモやオナガガモとは体型が違うと思わない?
ひそう言われれば、胴体が短いかしら。
安体型が違うなら行動も違うんじゃない?
ひあっ、潜った。ということは、カイツブリじゃないからよく潜るカモの仲間ってことね。
安ほら、一歩進んだよ。カモはよく潜る仲間とあまり潜らない仲間に分けられる。それでは、淡水の池に多いよく潜るカモって言えば…。
ひえっと、キンクロハジロかホシハジロのメスの可能性が高いってことね。それならキンクロさんなら目が黄色いはずだけど…黒いわね。
安はい、絞れてきました。彼女はつぶらな瞳のホシハジロのメスになります。

イラスト/加藤明子 |
体型、行動、くらしの違い
ひ図鑑には、よく潜るカモはお尻が水面に沈んで見えるのが特徴って書いてあるよ。
安よく潜るために重心が低くて、足の位置がお尻に近い。
ひだから、よく潜るカモは飛び立つ時に助走するのね。
安行動が違うと、くらし方にも違いがあるはずだ。ほら、杭の上でお昼寝しているカモを見分けてごらん。
ひえーっと、オナガガモが多いみたい。メスやまだメスみたいなオスは無視したいんだけど…。カルガモかマガモのメスもいるのかな。
安そうだよね、むこうの浅瀬に上がっているのも、ほとんどが潜らないカモたちだ。
ひなるほど、キンクロハジロやホシハジロは水面で休んでいるのが多いみたい。
安よく潜るカモの体型は、地上より水面の方が安定している。だから休息も、羽づくろい、頭かき、のびなどの行動も水面でよく見られる。地上で頭をかいたホシハジロを見たことがあるけど、こけそうだったよ、水面では巧みなのに。
ひそういえばカルガモが水面で頭をかいているときはなんかつらそうにしていたわ。潜らないカモは羽づくろいや伸びも水面より、陸に上がってやってるようね。
安潜らないカモにとっては、採食や休息のためにも浅瀬が必要なんだね。
企画・文/安西英明(普及室)
| (*1) |
カモも小鳥と同じように繁殖後に羽が抜け替わるが、小鳥の風切羽が少しずつ抜け替わるのと違って、風切羽が一斉に抜けて飛べなくなる時期がある(冬鳥のカモ類はその時期を経てから渡ってくる)。戻る↑ |
| (*2) |
コガモのオスは高く澄んだ声でピリッ、ピリッと鳴く。オナガガモはやや低い声で、メスはともにクェとかグェーなどと鳴く。戻る↑ |
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