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ひなこのお散歩鳥講座
NOTE78 11月 潜るカモ?潜らないカモ?
木の葉が色づく頃、カモのオスは衣替えが進んで見分けやすくなります。地味なままのメスはどれも似ているけれど、2つの仲間にわけると種を見分けやすいそう。どこが違うのかしら?

深まる秋


イラスト/小島早恵
ひなこ(以下ひ)あー、よかった。カモがだいぶ色づいてきたよ。
安西(以下安)カモにとっては冬の求愛シーズンが近づいてきたってことだ。
だんだんと色づいて、色気づいてくのね。
オスは派手になってメスに求愛しないとペアになれないから、色気づくって言われたらそうかも知れないけど…。僕は秋の深まりを感じるなぁ。
秋の深まりねぇ…。私なんか見分けやすくなって嬉しいだけだけど。
まず、暑い夏の最中でもカルガモの喚羽(*1)が始まって秋を予感させる。9月から冬鳥のカモの渡来が始まり、やがて数や種が増え、公園の池などでは次第に人をおそれなくなる。カルガモ以外はオスが徐々に衣替えをし、オスの声(*2)も聞かれるようになって冬へと進んでいくんだ。
ふーん、なんだか寒くなる冬も楽しみになってきたわ。
「カモのオスの声や求愛ダンスは冬の楽しみ」と言えるけど、それらは急に始まるわけではない。季節は連続しているんだ。
考えてみると、冬鳥のカモはロシアとかアラスカから渡って来るんだよね。オナガガモみたいに人の足元までやってくるようになるとずうずうしいなんて思っちゃうけど…。
短い夏の間、天敵に囲まれながら子育てを終えて、海を越えてくる彼らのドラマを想像してごらん。
うーん、ツンドラの大地でキツネやタカに食べられてしまうものや、渡りの途中で命を落としてしまうのもいたんでしょうね。
長い旅の間には天敵はいるし、嵐だってある。鉄砲で狙われもする。
とぼけた顔をしているけど、大変だったのね。それに、冬にペアになれたとしても春にはまた北上しなくちゃならないなんて、私、カモじゃなくてよかったわ。

潜るかも?

あそこのマガモはもう、頭がきれいな緑になっているわ。こっちは胸が白くなってきたオナガガモでしょ…、オスはだいたい見分けられるようになってきたわ。
マガモのメスはわかる? 大きさや体型はカルガモに似ているけど。
あそこのオスの横にいるのがメスじゃないの。マガモやオシドリはオスの衣替えもペアができるのも早いって教えてもらったもの。
うーん、そういう見分け方があったか。
だって「カモのメスは最初から見分けようとしない方がいい」って安西さんが言っていたじゃない。タカやカモメみたいにどれも似ているからって。
そうなんだけど、仲間がわかれば絞れるから、そこに浮いているメスにチャレンジしてみよう。
えー、何? そこのカモ? さっぱりわかりません。茶色っぽいだけで全然特徴ないもの。
すぐにわからなくて当たり前。もうちょっとよく見てみようよ。
だって、くちばしが平たいからカモの仲間、ぐらいしかわからないよ。
カルガモやオナガガモとは体型が違うと思わない?
そう言われれば、胴体が短いかしら。
体型が違うなら行動も違うんじゃない?
あっ、潜った。ということは、カイツブリじゃないからよく潜るカモの仲間ってことね。
ほら、一歩進んだよ。カモはよく潜る仲間とあまり潜らない仲間に分けられる。それでは、淡水の池に多いよく潜るカモって言えば…。
えっと、キンクロハジロかホシハジロのメスの可能性が高いってことね。それならキンクロさんなら目が黄色いはずだけど…黒いわね。
はい、絞れてきました。彼女はつぶらな瞳のホシハジロのメスになります。


イラスト/加藤明子
体型、行動、くらしの違い

図鑑には、よく潜るカモはお尻が水面に沈んで見えるのが特徴って書いてあるよ。
よく潜るために重心が低くて、足の位置がお尻に近い。
だから、よく潜るカモは飛び立つ時に助走するのね。
行動が違うと、くらし方にも違いがあるはずだ。ほら、杭の上でお昼寝しているカモを見分けてごらん。
えーっと、オナガガモが多いみたい。メスやまだメスみたいなオスは無視したいんだけど…。カルガモかマガモのメスもいるのかな。
そうだよね、むこうの浅瀬に上がっているのも、ほとんどが潜らないカモたちだ。
なるほど、キンクロハジロやホシハジロは水面で休んでいるのが多いみたい。
よく潜るカモの体型は、地上より水面の方が安定している。だから休息も、羽づくろい、頭かき、のびなどの行動も水面でよく見られる。地上で頭をかいたホシハジロを見たことがあるけど、こけそうだったよ、水面では巧みなのに。
そういえばカルガモが水面で頭をかいているときはなんかつらそうにしていたわ。潜らないカモは羽づくろいや伸びも水面より、陸に上がってやってるようね。
潜らないカモにとっては、採食や休息のためにも浅瀬が必要なんだね。

企画・文/安西英明(普及室)

(*1) カモも小鳥と同じように繁殖後に羽が抜け替わるが、小鳥の風切羽が少しずつ抜け替わるのと違って、風切羽が一斉に抜けて飛べなくなる時期がある(冬鳥のカモ類はその時期を経てから渡ってくる)。戻る↑
(*2) コガモのオスは高く澄んだ声でピリッ、ピリッと鳴く。オナガガモはやや低い声で、メスはともにクェとかグェーなどと鳴く。戻る↑
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