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食欲の秋、芸術の秋、渡りの秋です。探鳥会に行ったらタカの渡りが話題になっていました。ヒヨドリの渡りなら見たことあるけど、タカの渡りも身近で見られるのかしら?
旅の途中に出会うには

イラスト/小島早恵 |
ひなこ(以下ひ)ピーヨ、ピーヨって、ヒヨドリがよく鳴くようになってきたよ。
安西(以下安)喚羽が完了してきた証だね(*1)。
ひ羽が抜け替わると、移動が始まるんでしょ。
安ヒヨドリでは9月下旬から10月にかけて、南や西へ飛んでいく50〜200羽ほどの群れが見られるようになる。
ひ空を見上げるのが楽しみになるわ。天気や時間は関係あるのかしら?
安天気がいい日の朝に飛んでいくことが多いようだけど、時間は場所によって違うかも知れない。
ひ夏鳥も東南アジアに渡っていく時期だよね。
安夏鳥だけではなく、旅鳥も冬鳥も南を目指す時期と言えるけど、夜に渡る鳥が多いから、飛んでいくのはあまり見られない。
ひそのかわり、身近な緑地でも渡り途中に一休みしている夏鳥に出会うチャンスがあるんだよね。
安一休みというより、昼間は栄養補給してることが多い。
ひキビタキやオオルリは、ミズキの木がポイントって教わったよ。
安ミズキの実が黒く熟しているとエゾビタキも食べにやって来る。ほかにも街路樹や公園に毛虫がいるとツツドリが立ち寄ることがある。
ひふーん、カッコウのなかまって毛虫が好きなのね。毛虫はいやだけど、ツツドリには会いたいなぁ。
安ただ、春の渡りの時期と違ってさえずらないから、いると思って探さないと見つからないよ。
ひそうか、さえずりは繁殖期で終わっちゃうからね。ヒヨドリみたいに秋や冬でも良く鳴いてくれる鳥は見つけやすいけど。でも、もし姿を見つけてもカッコウやムシクイの仲間なんて似ているから、さえずってくれないと見分けられないんじゃない?
安そうだね。キビタキやオオルリにしても、オスの成鳥が少ない(*2)から、姿から見分けるのは簡単ではない。まずはヒタキの仲間、ムシクイの仲間ってことがわかるのが先。
タカは大きくない
ひタカの仲間は昼に渡ってくのが見られるでしょ。この間の探鳥会で、いつタカの渡りを見に行こうかって相談していた人がいたよ。
安両せい類やは虫類を食べるサシバとか、ハチを好むハチクマとか日本で冬を越せないタカは夏鳥だから秋に南下する。渡っていく姿が見られるし、渡りの名所ではまとまって見られるから人気があるんだ。まとまった数を期待しなければ、これからは身近でも可能性がある。
ひ空を気にしていたいけど、タカって見分けは難しいんだよね。
安遠くを飛んでいることが多いし、地味で似たのが多いから、すぐに種まで見分けようとは思わない方がいい。
ひそれじゃあ、タカの仲間ってことはどこで見分けるの? 大きさ?
安よく見られるタカでカラスより大きいのはトビくらい。タカの種まで見分けるなら、比較になる鳥ではカラスやハトが大事。
ひそういえば探鳥会で教えてもらったチョウゲンボウ(*3)はハトくらいだったわ。
安あまり羽ばたかない飛び方をしていることと、小鳥やカモが警戒する場合(*4)はタカの可能性がある。
ひ「トビか、トビ以外のタカの仲間か?」はカモを見てればわかるって聞いたことあるわ。
安トビもタカの仲間だけど生きているものを襲うことが少ないから、カモたちはトビはあまり怖くないって学習しちゃうんじゃないかな。
飛び方で見分ける
ひあっ、あそこ、羽ばたかない飛び方してる! 今、パタパタって羽ばたいた後にすーってすべるように飛んでったけど…。
安今のキジバトみたいにすーっていう飛び方されるとドキッってしちゃうんだ。
ひなんだ、キジバトだったのか。
安ほら、あそこを飛んでいくカラスの翼の動きを見てごらん。翼を上下させる幅が大きいのを羽ばたきが深いという言い方をする。
ひカラスの羽ばたきって、カモメに似てない?
安カラスやカモメは比較的深く、ゆっくり羽ばたく。ハトは深いけど早い、タカのなかまは浅くて早いというように羽ばたき方もポイントになる。
ひうーん、すぐにはわかりそうもないわ。

秋に渡りが見られるサシバはカラスより翼が長い。
ハヤブサの仲間でカラス大ならハヤブサ、ハトより翼が細長く尾羽も長いのがチョウゲンボウ。
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| イラスト/加藤明子 |
安飛び方や飛んでいる形で見分けるタカの仲間は、何度も何度も見て慣れないと難しい。でも、少しでもわかってくるとスリルがあるし、生態系の頂点にいるから数が少ないってことも魅力的。
ひタカがくらせるってことは豊かな自然の証だもんね。
安まずはタカの仲間、次に比較的数が多いトビをわかるようになる、その次はハヤブサの仲間がわかるようになるってステップがお勧め。
ひそれならわかるわ。飛んでる時に翼の先が尖って見えるのがハヤブサよ。
安だけど風が強い時など、タカ科の鳥が翼をまげると先が尖って見えることもあるよ。
ひえーん、やっぱり何度も見ないと難しいわ。トビからわかるようになろうっと。
| (*1) |
7〜8月に繁殖期が終わると羽が抜け替わる喚羽期を迎え、その間は行動的でなくなる鳥が多い。戻る↑ |
| (*2) |
秋の渡りはその年に生まれた若い個体が多い。オスが派手な色彩になるのは翌年以降で、若いものはメスに似て地味なことが多く見分けが難しい。戻る↑ |
| (*3) |
タカ目に分類される鳥にはタカやワシと名がつくタカ科のほか、チョウゲンボウやハヤブサなどのハヤブサ科がある。戻る↑ |
| (*4) |
タカの接近に対して、小鳥は警戒の声を発したり、瞬時に隠れたりする。カモ類では首を傾けるようにして上空を気にしたり、飛び立つなどの反応が見られる。戻る↑ |
企画・文/安西英明(普及室) |
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