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バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座
NOTE76 8月 仲間を見分ける
夏から秋は身近な川や公園でも、渡り(移動)の途中のシギたちに出会うことがあります。でも、シギは地味で似ていて、とっつきにくいと思っている人も多いようですが…。

お尻を振るシギ

NOTE76 8月 仲間を見分ける
イラスト/小島早恵
ひなこ(以下ひ)ねぇねぇ、池の縁を見慣れない鳥が歩いてるんだけど…。
安西(以下安)どれどれ、あの鳥? お尻を振ってる鳥ね。
お尻を振るのはセキレイ? でも、くちばしが細長いからシギの仲間みたい。
ピンポーン、シギで正解だよ。
へぇ、公園の池にシギがいていいの?
干潟にいるシギは種類が多いけど、池や川とか淡水にいるとなると限られる。さらに、よくお尻を振る、1羽でいる…ということであればイソシギだと思う。
ふーん、環境や習性が見分けに役立つんだ。それにしても、この公園では初めてじゃないかしら?
子育てが終わると、早いものはこの時期から移動を始めるんだ。特に、親鳥のなわばりを追われた若い鳥が放浪するから、夏から秋は意外な出会いがあるんだよ。
へぇ、まだ2度目の子育てしているスズメもいるのに。でも、ちょっと待って、イソシギは渡りをしないって聞いたことがあるよ。
おやおや、『新・水辺の鳥』をよく読んでごらん。
あらま、北海道では夏鳥、沖縄では冬鳥だって。
確かに本州などでは1年中見られるイソシギだけど、同じ鳥がずっと同じところにいるとは限らないんだ。
じゃあ、このイソシギくんは北海道生まれなのかしら?
秋の夜によくチーリーリーって声を聞くから、それが南へ移動中のイソシギだと思う。まだ8月だから、この近くの川で生まれた若い鳥なんじゃないかな。

シギは難しい?

そういえば、8月から干潟はシギやチドリで賑わうんだって?
4〜5月に北上して行ったと思ったら、もう子育てを終えて南下して来るんだね。
6〜7月に北方で生まれた若い鳥たちも、もう渡ってくるってこと?
「短期集中」「早い成長」が野鳥の子育ての原則だからね。これから日本を経て東南アジア、さらに南半球まで渡って行くシギも少なくないんだよ。
すごいね。若い鳥でも赤道を越えてくのがいるんだ。
北極で子育てして、オーストラリアの南の端で冬を越すトウネンなんて片道1万数千キロもの渡りをするんだ。
うーん、そんな話を聞くと干潟の探鳥会にも行ってみたいけど…このあいだシギの勉強会に参加してみたら、似た鳥ばかりで嫌になっちゃった。
見分けが難しいシギたちをすぐに見分けようとするからだよ。「最初は仲間がわかるようにする」「よく見られる種、わかりやすい種を絞る」などの基礎的なことを踏まえないと。それに「開けたところにいてじっくり見られるから、観察ポイントが多い」とか、楽しみ方もいろいろある。
「見分けが難しい」って聞いて安心したわ。
「シギ、タカ、カモメ、カモのメス」って言ってね、最初から見分けようと思わない方がいいグループの代表格だもの。

仲間だけの探鳥会

そういえば『新・水辺の鳥』には最初に「仲間の見分け方」が説明してあるね。
8月は学校からバードウォッチング指導を頼まれることが多いんだけど、干潟に行って「仲間だけの探鳥会」をやることもあるよ。
仲間だけの探鳥会?
調査や研究じゃないから、最初は種まで見分けなくてもかまわないからね。例えば子どもたちにはまず、サギの仲間をわかるようにしてもらう。水際を歩いて魚をとるから「長い足、長い首、尖ったくちばし」ってね。
NOTE76 8月 仲間を見分ける
水際でサギより小さい鳥では「くちばしが長いか、短いか」、飛んでいる鳥では「足がつきだして見えるか」「翼が細長いか」「首が長いか」などで仲間の見当がつく。
イラスト/加藤明子
ダイサギやチュウサギまで見分けなくてもいいんだ。
サギがわかったらサギより小さいけど、同じように水際を歩いている鳥を見分けてもらう。「長めのくちばしで下を向いて歩きながらエサを探しているのがシギ」「短めのくちばしで、歩いては立ち止まってエサをつまむのがチドリ」とか。
なるほど習性や体型から仲間の見当がつくわね。
あと水辺では飛んでいる鳥も見やすいから、「翼が細長いのがカモメ」「首が長いのがカモ」「首も尾羽も長いのがウ」なども教えてあげる。
そのくらいなら私もすぐわかるよ。
じゃあ、あそこを飛んでいく鳥はわかるかな?
えーっと、あれはコサギかな、ダイサギかな?
チュウサギの可能性だってあるよ。夏から秋は移動中のものがいないとも限らないんだ。
うわあ、それじゃあ、絞れないよ。
そんなときは、種までわからなければ無理しないで、サギの仲間でいいんだよ。「長い首を曲げて飛ぶ」「足が長いから尾羽から突き出して見える」という仲間の特徴は確認できたでしょ。
なるほど、種の違いよりまず仲間を見分けることが先決なのね。

企画・文/安西英明(普及室)
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