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バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座
NOTE64 7月 双眼鏡はムズカシイ?
野鳥たちの子育ても終盤を迎える季節です。今日は、いつもの公園の池のカルガモが話題になっているので見にきて、双眼鏡の使い方をあらためて教えてもらいました。道具を使うのにも、ちょっとしたコツがあるようですよ。

小さいヒナのわけ

ひなこが双眼鏡で苦労しながら池のカルガモを見ているイラスト
イラスト/小島早恵
ひなこ(以下ひ)野生では巣が壊れたり、卵が食べられたり、親鳥がけがしたり…、順調にいくことの方が少ないくらいなんだよ。この公園のカルガモの場合、営巣条件が悪いから、失敗しながらようやくヒナの段階まできたんだと思う。
安西(以下安)5月にどこかのカルガモ親子がニュースになってたけど、この池の親子は少し遅くない?
カルガモが巣を作るのは地上の茂った草むらだったっけ。
そう。ヒナが隠れることができるような水辺の茂みが近くにあることも大切なんだ。
池があるだけじゃ子育てできないのね。あっ、いたいた、まだ小さいヒナが4、5、6羽…巣立って泳いでる。あれ? ちょっと待って。野鳥のヒナって、巣立つ時には親鳥に近いサイズになってるんじゃなかった?
その通り。原則はね。
原則って…カルガモはどうして例外なの?
ヒナが小さいうちに巣から離れるのは、カモ以外ではキジとかシギ・チドリの仲間がいる。ツルもそうだね。さて、共通点はなんだろう?
思い出したわ。地上に巣を作る鳥は、ヒナがいつまでも巣にいると危険なんだ。
孵化してすぐに歩きだす「おませちゃん」のヒナでないと、毎日が命がけという厳しい自然界では生き残れないんだと思うよ。
スズメのような小鳥では、孵化したヒナは丸裸で、目も見えないんだったよね。
それでもたくさんの虫をもらって2、3週間で巣立っていくわけだから、のんびりしてるわけではないんだよ

双眼鏡を使う時に

双眼鏡で見やすい対象、見にくい対象
双眼鏡の視野に入れてピントを合わせるには「遠くて開けたところの動きが少ないもの」から練習すると良い
双眼鏡を使う練習のイラスト
「近くて動く小さな対象」や「茂みの中」はむずかしい(身近なハトやスズメを対象に練習するとよい)
双眼鏡を使う練習のイラスト
イラスト/加藤明子
あれれ、お母さんガモについてヒナも近づいてきたよ。
人が餌をやるから慣れちゃってるんだね。あまり開けた水面にヒナを連れ出すのは危ないと思うけど…。
人が多いところは天敵が少ないとも言えるんじゃないかな。わぁ、双眼鏡のピントが合わなくなっちゃった!
対象が近くなればなるほどピントリングの調整が微妙になるし、近すぎるとピントが合わなくなるんだよ。
望遠鏡ではどうなの?
双眼鏡では8倍前後、望遠鏡ではよく20倍が使われるけど、倍率が高くなるほど視野は狭くなって、ピントが合う距離も遠くなる傾向がある。
カモの鼻の穴まで見てやろうと思ったのに、よく見るためには倍率だけじゃなく、距離も関係するのね。
それに視野が狭くなるほど、小さい鳥、動きの速い鳥をとらえるのは大変になる。
茂みの中の鳥を見るのも大変よね。この間、庭にきたシジュウカラの親子を見せようとお母さんに双眼鏡を貸してあげたんだけど、全然見えないって自信なくしてたわ。まず先に肉眼で対象をとらえてから、目を動かさずに双眼鏡を当てるってことは、教えたんだけど…。
対象のとらえ方を教えてあげたのはいいけど、むずかしいことにチャレンジさせちゃったことになる。「見分ける」「聞き分ける」と同じで、簡単なことから始めた方がいいと思うよ。
そうか、シジュウカラ親子は近くだったし、茂みの中で動き回ってたから、双眼鏡でとらえる対象としてはむずかしかったわけね。

簡単なことから練習しよう

探鳥会では、よくリーダーさんが望遠鏡を使って野鳥をアップで見せてくれるでしょ。
うん。どんな鳥でもアップで見ると色はきれいだし、羽は柔らかそうだし、瞳の輝きまで見えて感動しちゃうわ。
普通は肉眼ではそこまでわからないから、バードウォッチングの「初めの一歩」としてはいいんだけど、次の段階に自分自身でそこまでとらえようとする「二歩目」が大変なんだ。
そうね。私も最初は双眼鏡ではなかなか鳥が見られなかったわ。
苦労しただけ感動が大きくなるとも言えるから、自分で双眼鏡や望遠鏡の視野に鳥をとらえられた時はうれしいよね。でも、その前に自信をなくしちゃう人も少なくないと思う。
「目や耳が特別によくなくても野鳥を見分けたり、聞き分けたりできる」って教えてあげて、お母さんもちょっぴり自信を持ったばかりだったのに、どうしたらいいかしら?
双眼鏡や望遠鏡で見る対象としてまずとらえやすいのは、遠くて、小さくなくて、動かないもの。例えばビルの看板とか街灯などを視野に入れてピントを合わせることを繰り返しながら、だんだん近いもの、小さいものに対象を変えて練習するといいよ。
なるほど、慣れることが大事って聞いてたけど、簡単なものからむずかしいものって順番を考えた方がいいわね。

企画・文/安西英明・中村聡(普及室)

注)NOTE61からバードウォッチング案内人研修会のテキスト第3章「バードウォッチングの基礎」に関連して、野鳥の見方、楽しみ方についてのお話です。聞き分け方については「CD声でわかる山野の鳥」(本会発行、37頁参照)から抜粋して紹介しました。

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