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桜の季節がめぐってきますが、みなさんの地域ではいかがですか?
私は花が咲くと蜜を好むヒヨドリやメジロがやってきてじっくり見られるので楽しみにしています。今回は鳥それぞれの“春の知らせ”のお話です。
シメが地上に

イラスト/小島早恵 |
ひなこ(以下ひ)あそこの地面にいる鳥、何かしら?
安西(以下安)大きさはスズメよりちょっと大きいくらいかな。体型はどうだろう、尾羽が短くない?
ひ尾羽まで見えないけど…あっ、太いくちばしが見えたからシメかしら。でも、シメって地面におりることってあるの?
安そういえば、シメの細い声はアオジに似てるけど、アオジが好む低い茂みじゃなくて樹上にいることが多いって話をしたっけ。でも、春先は事情が変わるんだ。
ひ北国に帰る時期が近づくと、地上で虫を食べて栄養つけるとか?
安ツグミではそういうことが言われるけど、ペンチ型のくちばしのシメはどうだろう? ほら、よく見てごらん、くちばしをモゴモゴやってタネを割ってるから。
ひそっか、今ごろはもうタネが樹上に残ってないから、落ちてるタネ探しをするようになるってことね。
安そう、ほかにもシメで春を感じることができるよ。くちばしの色が黒っぽくなるとか、群れるようになるとか、最後にはいなくなるとか。
ひシメはいつまで見られるの?
安北海道では繁殖するから地域によって違うけど、関東では5月ごろまで残っているのもいる。
ひジョウビタキなんかは帰っちゃった?
安同じ種でも年や個体によって違いもあるけど、ジョウビタキは早くいなくなる方だね。シメのほかに冬鳥で遅いのはツグミやコガモで5月はじめまで残ってるのがいるけど、冬鳥の北上はシメで締め!
春の音

イラスト/加藤明子 |
安ちょっと待って、この音も春の知らせだよ。
ひ何なに? 何の音? 安タラララって聞こえなかった? コゲラのドラミングの音は小さいからなぁ。
ひドラミングって何? 安キツツキの仲間が木をたたいて音を出すこと。アオゲラの場合はダラララッて大きな音がするんだけどね。
ひコゲラは体が小さいから音も小さいわけね。でもどうして春の知らせになるの?
安キツツキの仲間は多くの小鳥のようにさえずりをしないかわりに、木をつつく得意技で音を出すことがオスメスのコミュニケーションになるとか、なわばり宣言のような意味を持つんじゃないかと言われている。
ひじゃあ、夏に子育てが終わるとドラミングは聞こえなくなるの?
安夏がすぎてもコン、コンと単発の音は聞こえる。木の幹の中にいる虫を食べる時とか、ねぐらにするために枯れ木にあなをほることもあるから。でもドラミングは、春先に始まって子育て期間がすぎると聞かれなくなるようだ。
ひさえずりのように、ドラミングするのはオスだけなの?
安コゲラのオス、メスは見分けにくいけど、どちらもやるようだ。
ひあ、今度は聞こえた! でも、思ったより短い音ね。気にしてないと聞きのがしそうだわ。
安コゲラだと0.5秒に10回弱、アオゲラは1秒間に20回くらいたたくんだって。
ひひえ〜、そんなにたたいて頭はだいじょうぶなのかな。
安キツツキの仲間の頭骨は厚めで、くちばしのつけねやそのまわりの筋肉も特別なんだ。木をたたいた衝撃は、くちばしから頭、首を伝わって体にぬけていくんだって。舌と舌に続く筋肉が頭骨を取りまいているのは知ってる?
ひえっ何それ! ぶきみね…。
安舌のつけねにあたる舌骨と筋肉の部分は、鼻のあなから出て頭骨をひとまわりして口もとまできてる。その舌につながる筋肉は頭骨を保護してる上に、舌骨をおし出して舌をのばす働きもあるんだ。よくできてるでしょ。
ひへぇ〜、ふしぎ。皮をめくって中を見てみたいくらいだわ(イラスト右のかこみ参照)。
安ところでどんな場所でドラミングすると思う?
ひうーん…できるだけ大きな音がする場所がいいと思う。
安うん。音響効果がいいのは枯れた木、とくに空洞になった幹なんだけど、時には巣箱とか電柱の部品までたたくのもいるんだ。
ひ人間だとかたいものを食べると歯がおれちゃうこともあるけど、キツツキは平気なのね。うらやましいな〜。
安鳥には歯がないんだよ。 ひやっぱりうらやましいわ。私、このあと歯医者なの…。
企画・文/安西英明・山本浩伸(普及室)
※1 太くて短いペンチ型のくちばしは、かたいタネを割って食べるのに適している。多くの小鳥は虫をつまみやすい細長いピンセット型のくちばしで、実を食べる場合はタネごとまる飲みする
※2 春に羽の色が変わって夏羽になる鳥がいるが、シメやダイサギなどくちばしの色が変わるものがいる
※3 アオゲラ、ヤマゲラは、さえずりのように繁殖期に特別な声を出す
※4 図鑑によってはコゲラのオスの後頭部に赤い模様が描いてあるが、赤い羽は小さくて普段は見えにくい(興奮するなどして頭の羽が逆立つと見えることもある)
注)NOTE35から(41を除く)、バードウォッチング案内人研修会のテキスト第4章「案内の内容と方法、基本種の知識」に沿って、鳥の見分け方についてのお話です。
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