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ひなこのお散歩鳥講座
NOTE52 ウグイスの仲間を見分ける
渡りの季節には、身近な公園でも、山で子育てする夏鳥たちとの意外な出会いが期待できます。今回はウグイスの仲間の見分け方を教えてもらいました。彼らは姿がそっくりだけど、声や通過する時期でも見分けられる!?

かわいい酒飲み?

イラスト
イラスト/小島早恵
ひなこ(以下ひ) 安西さんは以前、今ごろの時期にアマツバメを見たことがあるのよね。
安西(以下安)うん。上空を飛んでいったんだけど、ツバメより翼(つばさ)が細長くて、おなかが黒かった。
一瞬でそこまでチェックできちゃうのね。
夏鳥が北上(ほくじょう)する時期は、アマツバメが飛んでいく可能性があるって気にしてるからね。
今日は、他にどんな鳥がいるかもしれないの?
安:4月中旬から5月はじめ、このあたりの緑地(りょくち)ではキビタキ、オオルリ、センダイムシクイ…。おっ、さっそくセンダイムシクイの声が聞こえてきたよ。
えっ、シジュウカラじゃない?
少し間をおいて、また鳴くはずだ。ほら、チヨチヨピーって。
なるほど、シジュウカラのさえずりとは違うね。
シジュウカラに似た細い声でチヨチヨって鳴いてからビーってにごるのが特徴(とくちょう)。「焼酎(しょうちゅう)一杯(いっぱい)ぐいー」って有名な聞きなしがあるよ。
「ビー」ってところを「ぐいー」と聞くのね。でも、お酒飲みのイメージじゃないわ。
最後がにごっても高い声だから、かわいい感じがするよね。

“ひかげ者”は耳で

イラスト/加藤明子
姿を見たいけど、高いところにいるみたいね。
ウグイス科(か)の鳥はしげみの中にいることが多くて、見やすいところにはなかなか出てこないよ。
そうだった。安西さんはウグイスを“ひかげ者”って呼んでたもんね。
おまけに、センダイは高いところにいるし、スズメより小さくてよく動くし、葉っぱのような色だし…。
センダイムシクイは高いしげみ、ウグイスは低いしげみが好きなのね。
そう、親戚(しんせき)同士だけど高さですみ分けてるって考えられる。最近、街のケヤキのような高木(こうぼく)も葉が開いてきたでしょ。そのタイミングを待っていたようにセンダイが渡ってくるんだ。
でも、新緑(しんりょく)のうちはまだすき間があるから、見るチャンスが…あっ、チラッと見えた!
それはよかった。山で子育てに入るころより、渡りの時期の方が姿を見るにはいいかもしれない。
でもねぇ、図鑑(ずかん)を見るとウグイス科ってどれもそっくり。イイジマムシクイは伊豆(いず)諸島(しょとう)って書いてあるからここにはいないと思うけど。
東南アジア方面から北上する時期とはいえ、伊豆諸島より北は通過(つうか)しないはずだからね。メボソムシクイは今はまだ早いし、環境(かんきょう)で絞り(しぼり)込むとヤブサメは低いところにいるからはずせる。
じゃあ、エゾムシクイは?
じつは、センダイより少し遅れて、4月末からはエゾも可能性がある。でも、エゾの声はヒーツーキーってもっと細くてにごらないから、声でわかると思うよ。
そういえば、ウグイスの仲間は「百(ひゃく)見(けん)は一聞(いちぶん)にしかず」なのよね。
そう。しげみの中でくらすウグイス科の鳥たちでは、オスは姿をめだたせるより、それぞれの歌を発達(はったつ)させたんだ。

渡りの時期をどこで知る?

チラッとは見えたけど、センダイくんはめだつ模様もないし、小さいって印象しかないわ。
体重が10グラム前後しかないんだよ。
すごいね! それで東南アジアから海を越えて渡ってくるんでしょ。
さらに、さっきのセンダイはこれから山まで飛んでいって、なわばりを確保(かくほ)し、さえずり続けてメスを呼ぶわけだ。このあと5月末くらいにメボソムシクイも通過するはずだけど、彼らは高山(こうざん)まで行く。
どうしてメボソくんの渡りは遅いの?
今ごろ渡ってきても、高山はまだ雪の中かもしれないよ。メボソがこのあたりを通過する時期は、彼らのめざす高山で葉がしげりだす時期と関係してるんじゃないかな。エゾの渡りが、センダイよりやや遅いのもそのためだと思う。
渡りの到着地(とうちゃくち)を整理すると、センダイは「低山(ていざん)」、エゾは「やや高い山」、メボソは「高山」で、それぞれめざす標高(ひょうこう)が違うわけね。
到着地の葉のしげりぐあいから考えると、ヤブサメは渡りの時期は早くていいはずなんだけど、この公園では今まで見たことがない。さえずらなければまず気づかないから、ひっそり通過しているのかもしれないけどね。
でも、どうして彼らは自分にとって都合のいい時期がわかるの?
そこまで調べてる人はいるのかなぁ。
中には早めに渡ってきちゃって、高山でこごえちゃうメボソくんもいるのかしら?
オスはメスより先に渡ってくる傾向はあるけど、時期が早すぎると生きていけないんじゃないかな。その一方で、渡ってくるのが遅すぎると、もてない。先にいいなわばりを確保しておかなければ、メスに選んでもらえないだろうから。
早すぎてもだめ、遅すぎてもだめ。う〜ん、きびしい。でも今年は春が早かったから、来るのが早くてもいいんじゃない?
北海道や高山では、5月に入っても雪がふることがあるから、まだわかんないよ。

企画・文/ネイチャースクール
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