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春が近づくと冬鳥にいろいろな変化があらわれて、観察してみるとおもしろいんですって。北へ帰る旅に備えて、どんな動きをしているのかな?さて今回は、シロハラなどのツグミの仲間を見分けてみました。
音と環境がポイント
ひなこ(以下ひ)
何か、ガサゴソ音がする。
安西(以下安)
このあたりは木が茂っているから、アカハラかシロハラがいてもいい環境だよ。
ひ
えーっ、この音がそうなの? 姿を見てみたいわ。地面から音がしてくるけど…。
安
ツグミと比べて、彼らは開けた所に出てこない鳥たちだから、見やすい鳥とは言えないんだ。しゃがんで音の方向を探してごらん。
ひ
あっ、あそこで落ち葉が舞い上がってる!
安
しゃがんだまま、姿が見えるところまでそーっと移動してみよう。
ひ
いたいた。ツグミみたいな鳥が落ち葉をどけてるわ。
安
胸から腹にかけてまだら模様ならツグミ、赤茶色ならアカハラ、目立つ色や模様がなければシロハラだ。
ひ
顔は見えたけど、眉斑がないからツグミじゃないし。あっ、お腹が白っぽいから、シロハラね。やった、初めて見たわ!
大型ツグミって何?
ひ
ところで、探鳥会で小型ツグミとか大型ツグミっていうのを聞いたんだけど。
安
ツグミ科の属のレベルでは、ジョウビタキ、ルリビタキ、コマドリなどのグループが小型ツグミって呼ばれているんだ。
ひ
だいたいスズメサイズの鳥たちね。
安
それに比べてツグミ属のツグミ、アカハラ、シロハラ、クロツグミなんかはどうかな?
ひ
うーん、ムクドリサイズってとこかしら?
安
そう。それらをまとめて大型ツグミって呼ぶ。
ひ
なーんだ、スズメに比べて大きいってことね。とても大きなツグミの仲間がいるのかと思っちゃった。
安
sp.っていうのもそうだけど、探鳥会で使われる用語は慣習みたいなもので、特に学問的な決まりに沿っているとは限らないからね。
ひ
じゃあ、あんまり気にしなくてもいいのかな?
安
そうだね。学問的な決まりだってすべてが整理されているわけではないからね。ただ、案内人の立場としては、専門用語みたいな言葉は避けるか、使う場合にも意味を説明した方がいいと思う。
落ち葉のどかし方
ひ
それにしても、シロハラくんは一生懸命ね。まだ、ガサガサやってるよ。
安
シロハラを「コノハガエシ」なんて呼んでた地域もあるからね。僕の観察ではムクドリやセキレイの仲間では、一枚ずつくわえるようにして落ち葉をどかすんだけど、ツグミの仲間はくちばしを左右に振って豪快にやるみたいだ。
ひ
へー、落ち葉のどかし方にも違いがあるんだ。
安
ツグミ科に似て、はね飛ばすように落ち葉をどかすのがスズメ。もっと豪快なワザも見たことがある。一度飛び上がってから、落ち葉に頭から突っ込んでった。
ひ
スズメもよく見てるとおもしろい行動があるのね。
安
落ち葉どかしについては、特にこれから、春先ほど熱心になるように思う。
ひ
どうしてかしら?
安
まず、木の実を食べる場合、秋にはまだ落ちてる実は少ない。
ひ
だんだんと木の実も落ちて、さらに落ち葉の下も探すようになってくるってわけね。
安
それから、春が近づいて、虫を食べるようになると…。
ひ
なるほど、土の中の虫を探すには、落ち葉をいっぱいどけないといけないものね。
知らないと気づかない
ひ
あっ、飛んでっちゃった。
安
声は聞こえた?
ひ
わからなかったわ。
安
チーッって伸ばす声がしたよ。大型ツグミが飛び立つ時によく出す声なんだ。
ひ
でも、その声だけじゃシロハラか、アカハラかはわからないんでしょ。
安
そうだね。シロハラを見分けるなら、飛び立つ時には尾羽に注目だ。
ひ
そこまで見てないわ。
安
シロハラは尾羽の白い部分が飛ぶと目立つんだ。それと西日本では比較的多い鳥だから、地域も目安になる。
ひ
さっきの声もそうだけど、知らなければまず気がつかないわね。
安
その通り。知っていてこそ気づくし、見分けられる。いくら目や耳がよくても、知識や経験にかなわないわけが、そこにある。逆に言えば、知識や経験を蓄えれば、目や耳が衰えてもカバーできるんだ。
ひ
そっか〜。老後に備えて今から経験を重ねておこうっと。今度はアカハラも見たいな。
安
アカハラも暗い林を好むから、潅木や下草を残すような場所がもっとあれば見られると思うよ。
ひ
公園は大体明るい林が多いけど、暗いところが好きな鳥も少なくないんだね。
安
明るいところが好きなセキレイやムクドリもいるけど、町の中の公園でも、薮があればウグイスやルリビタキなんかの鳥、僕は“日陰者”って呼んでるけど、そういう鳥たちも冬を越せるだろうからね。
企画・文:ネイチャースクール
※sp.…種名までは分からなかった場合に、○○の仲間という意味で、「カモs.p.」などと使う場合がある。