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鳥の親子があちこちで見られる頃になりました。今日はどんな子どもに出会えるかな?さて、7回にわたって野鳥の種を見分けるポイントを教わったきましたが、名前がわかる他にも、見分ける楽しみはいっぱいあるんですって。
声で子どもがわかるには
安西(以下安)
この声、なんだかわかる?
ひなこ(以下ひ)
ピーって声ね、ヒヨドリ?
安
いつものヒヨドリの声より、か細い声だと思わない?
ひ
そう言われれば、ピーよりチーって感じ。
安
実は、ヒヨドリの子どもの声なんだ。
ひ
スズメやシジュウカラは子どもの声は親鳥とずいぶん違うけど(前月号参照)、ヒヨドリはちょっと違う程度なのね。
安
日頃から声をよく聞いて、「この季節には巣立った幼鳥がいるはず」と思って気にしていれば、こういう微妙な違いがわかるようになるよ。
ひ
あの茂みの中で鳴いてるけど、あれが子どもかな。ヒヨドリの子どもって尾羽が短くて、頭の羽がもっとボサボサしてなかった?
安
巣立ち直後はね。親鳥に連れられている短期間のうちに、尾羽も伸びてきて、見た目ではわかりにくくなる。
ひ
そっか。子どもを見分けるには、声や動作の違いに注目するのよね(
参照/NOTE1、1997年7月号
)。あっ、親鳥が来たら翼をバタバタしてる。餌をもらう甘えのポーズね。
安
翼バタバタは鳥の子どもに共通したポーズだよ。
ひ
でも、餌をもらえる期間は長くはないのよね。夏の間に親子関係はなくなるのが普通なんでしょ。
安
生存率が低い野鳥たちは、かわりに子だくさんだったり、成長が早かったりするんだ。
ひ
スズメやシジュウカラでは丸裸のヒナが巣立つまでがたった2週間前後だっけ。
安
その後、巣立った子どもの面倒を親鳥がみる期間はスズメでは半月ほど。独立した子どもは他のスズメたちと群れることはあっても、自分自身で生きていかなくてはならない。そんな子どもたちも、翌年の春には繁殖できる成鳥になる。
巣作りの段階を見分ける
ひ
1年で大人になっちゃうって、すごいよね。
安
でも、仮に2ペアが計10羽を巣立たせたとしても、独立するまで、独立後、さらに冬の試練をのりこえられるものは、1羽いるかいないかじゃないのかな。
ひ
だからスズメだらけにはならないんだってお母さんに話したら、「そんなに死んでるのを見たことない」って言ってたわ。
安
「他の生命の食物になる」っていう命の原則を、多くの人は理解できていないと思う。生態系の数のバランスや、多くの生物種が共存していることの基本なんだけどね。
ひ
街のスズメだと、ネコやカラスに食べられちゃうのが多いのかな。
安
自然が豊かならヘビやイタチ、タカの仲間もいる。巣立ち直後で何が危ないか学習できていない子どもや、敵から逃げる経験が少ない独立したての若造とかは、特に危ないと思うよ。
ひ
親鳥だって日々命がけなんだもんね。あっ、スズメが何かくわえてる!
安
イヌかネコの毛だから、巣作りに違いない。
ひ
今頃、巣作り!?
安
毛や羽を運ぶってことは、外装は完成していて産座を作っているはず。じきに卵を産む段階だと思う。
ひ
もう子別れしてるスズメだっている時期なのに。
安
確かに5月から巣立ちが始まってるけど、それは4月までに結婚や巣作りなどを終えた順調なペアなんだ。
ひ
そっか、みんなが予定通りいくわけないよね。
安
スズメの場合「繁殖は春から夏に2回繰り返される」って一般に紹介されてる。中には3回繰り返すようなうまいペアもいるらしいけど、何度チャレンジしても成功しないペアの方が多いくらいじゃないかな。
ひ
若い夫婦より熟練夫婦の方が子育てはうまいのかしら?
安
厳しい自然界を生き抜く鳥たちには学習や経験が大切だから、そうなんだろうな。最近、東京では10月まで親鳥に連れられたスズメの子どもが観察されてる。以前より一度に巣立たせる子どもの数が減った一方で、子育てをする時期が伸びてる可能性もあるんだ。
例えばカワラヒワ。色が地味という点からメスを見分けることもできるが、この場面では、行動から右がメスとわかる(シジュウカラやカワラヒワでは、巣材運びはメスの役割)→
見分ける楽しみにもさまざま
ひ
野鳥を見分けたいと思ったら、身近な鳥からって言ってたよね。身近な鳥でもくらしを見ていると、奥が深いなぁ。
安
見分ける楽しみは名前を知ることだけじゃない。オスとメス、親と子、ペアかどうかを見分けられたら、より楽しいでしょ。
ひ
そう言えば、ラブラブの仕草でペアを見分けるとか、役割分担でオスメスを見分けるとかも教えてもらったわ(参照/
NOTE8
、
9
、1997年3・4月号、5月号)。
安
名前を知るにしても、誰の古巣かを見分けるとか(
参照/NOTE37、2001年1月号
)、足跡、落ちている羽、食べた痕跡などから名前を推理するって楽しみもある。
ひ
見分けのジャンルもいろいろね。私は「何してる?」っていう見方がおもしろいから、よーく行動を見て、ベテランか若造かって見分けを極めようかな。
企画・文:ネイチャースクール