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巣立ちの季節。街の中でも気をつけて耳をすましてみると、幼鳥の声がして野鳥の親子に気づくことができます。今回は、飛んでいる野鳥の見分け方を教えてもらいました。まっすぐに飛ぶか波を描くように飛ぶかもポイントになるんだって。
巣立ち後の親子
ひなこ(以下ひ)
むむっ、このしわがれ声は何だっけ?スズメのヒナじゃないし…。
安西(以下安)
スズメの子はシリッ、シリッと短い声を続けるよね。シーシーシーと伸ばす声はシジュウカラだ。
ひ
いたいた、かーわいい! まだ色が薄いしネクタイ模様が短いのね。あれ、あっちにもこっちにもいる。
安
シジュウカラは10羽近い子どもを巣立たせる。親鳥は虫を与えるだけじゃなくて、子どもの安全管理もしなくちゃならないから大変だよ。
ひ
あっ、親鳥がイモ虫みたいなのをあげたわ。
安
今の親鳥はネクタイ模様が太かったからオスだ。このところさえずりが静かになったと思ったら、お父さんも子育てに追われていたんだね。
ひ
親鳥がジュクジュクジュクって鳴いたら、嫌がってるから距離をおいた方がいいよね(参照参照/
NOTE9
、1998年5月号)あれっ、この鋭い声は?
安
ジュクジュクよりも緊急の警戒時には、今みたいにツピチーッ!などと鋭く鳴く。タカの仲間が接近した時などに出す声で、「危ない」「逃げろ」のような意味があるらしい。
ひ
えー、タカが来たの?
安
さっき、上空をキジバトが飛んだのを間違えたみたいだ。
滑空と帆翔(はんしょう)
ひ
どうしてハトをタカと間違えたのかしら。
安
キジバトがディスプレイフライトをしてたんだけど、その飛び方がタカに似てたからじゃないかな。
ひ
ディスプレイフライトって、パタパタ上ってから、スーって旋回する飛び方ね。『新・山野の鳥』の19ページに「オスのなわばり宣言のような意味があるらしい」って書いてあるわ。
安
旋回してる時の飛び方、「滑空」は何て書いてある?
ひ
「グライダーのようにはばたかずに飛ぶこと」だって。
安
そう。そして上昇気流に乗って滑空を続けるのが「帆翔(はんしょう)」。トビが旋回しながら上がっていく時の飛び方だね。
ひ
小鳥では、滑空や帆翔ってあまり見ないけど…。
安
大型の鳥の省エネ飛行と考えたらいいんじゃないかな。翼の面積が小さい鳥には難しいんだ。
ひ
小さな翼だと、はばたくのを止めたら落ちちゃうもんね。でもツバメは滑空してるんじゃない?
安
ツバメは、体が小さいけど翼は長い。つまり体の割に翼面積が広いから、滑空もできる体型なんだ。
飛び方や体型で見分ける
ひ
飛び方も見分けのポイントになるのよね。ヒヨドリは波形に飛ぶってよく聞くけど…。
安
波形の飛行は、小型の鳥の省エネとも言える。小鳥もずっとはばたき続けてるわけではなくて、休む時に翼をたたむんだけど、推進力で下降はするけど前進する。で、またはばたいて推進力を得てから翼をたたむ、を繰り返す結果、波を描くような飛び方になる。図を見てごらん。
ひ
なるほど。えっ、スズメって波形だっけ?
安
翼をたたむ時があるので、一直線にはならない。ヒヨドリほどはっきりした波形ではないけどね。一方、ムクドリのようにはばたきを休んでも下降しない鳥では直線的に見える。
ひ
ふーん、図で見ると、スズメとカワラヒワでも少し飛び方が違うんだ。
安
習性や体型に応じたそれぞれの飛び方がある。見分けに役立つポイントでは飛んでいる時の体型に注目するといい。例えば翼の先端の形。ハトやハヤブサの仲間など、早く飛ぶ鳥は先が尖って見えるものが多い。ムクドリやツバメもそう。
ひ
水鳥では「翼が長いか」「首が長いか」「足が尾羽から突き出して見えるか」で仲間がわかるのよね(
参照参照/NOTE39、2001年3月号
)。
安
タカの仲間のように、飛んでいる方が見分けやすい鳥もいる。「翼の長さ・太さ・先端の形」「尾羽の形」がポイント。他にも「滑空時の翼の保ち方」や「停飛※をする・しない」とかね。
ひ
タカの見分けは難しいらしいから、私はあと回しにしてるんだけど。
安
わかろうとするなら、わかりそうなものや気に入ったもおんからなどの優先順位が必要って言ってきたから、それでいいんだけど、「よく滑空する」とか、「他の鳥が警戒する」など、タカの仲間ってわかるポイントはあるんだ。それから「滑空時の翼の保ち方」は、身近なハトでも違うんだよ。
ひ
身近なハトってキジバトとドバトくらいでしょ?
安
滑空する時にキジバトは翼の先端が上がっていて、前から見るとヘの字を逆にした形になるんだ。
ひ
飛び方を比べて見たことってなかったなぁ。でも、キジバトと違ってドバトはドバーっと群れてることが多いからそれでも見当つくよね。
安
そうだね。ドバトは深い森にはまずいないとか、キジバトは2〜3羽でいることが多いとか、環境や習性も見分ける上で役立つポイントだよ。
企画・文:ネイチャースクール
※ 停飛:はばたきながらヘリコプターのように空中の一点にとどまる飛び方。ホバリングとも呼ぶ。