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バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座
NOTE37 環境で絞り込もう
あー寒い!でも鳥たちの世界では、もう春のきざしが見られるそうです。季節は確実に春へと向かってるんだなぁ…。さて今回は、大きさで鳥を見分けるコツを教えてもらいます。日頃から身近な鳥のサイズを意識していると、見分けるときに役立つんですって。

イラスト
イラスト/小島早恵
スズメにも春のきざし

安西(以下安)スズメのくちばしが黒くなってきたね。
ひなこ(以下ひ)えー、みんな黒いんじゃないの?
繁殖期の成鳥はくちばしの先からつけ根まで真っ黒なんだけど、秋冬はつけ根が白っぽいのが多いんだ。
そう言えば、巣立って間もない幼鳥は、つけ根が黄色かったような…。
そうだね。秋冬につけ根まで黒くないのがどういうスズメなのか、よくわからないんだけど、若い固体の特徴かもしれないし、季節による変化、あるいは成長段階での個体差などとも考えられる。僕の観察では、早春から真っ黒いくちばしのスズメが増えていくように思う。
ふーん。とにかく、春に向けて衣替えするスズメもいるのね。
春のきざしとしては、スズメのくちばしの変化はけっこう早くから始まる。シジュウカラのさえずりも、まだ寒いうちに始まるよ。

姿が似ていても環境で見当がつく


スズメもよく見てると楽しいね。アレッ、あのスズメはずいぶん太ってるよ。
羽をふくらませてるからそう見えるんだ。
そっか、寒い時はそうやって防寒するんだった。でもふくらんでると、なんだか大きく見えるわ。
野鳥を見分けるポイントに、大きさや体型がある。でも、状況によって違って見えることがあるから注意がいるね。
安西さんが、身近でスズメより小さければメジロって言ってたけど、私には難しいと思ったわ。
同じ鳥でも、遠いと小さく見えたり、翼を広げると大きく見えたりするしね。でも、捕まえて計るわけにはいかないから、身近な鳥の大きさをイメージできるようにして、それと比較して見分けたい鳥の大きさの見当がつけられるように、心がけておくことが大切なんだ。
スズメ、ムクドリ、ハト、カラスが「ものさし鳥」って言われるのよね。安西さんはどうやって大きさがイメージできるようになったの?
よく目にする鳥を、肉眼で見分けるようにしたんだ。例えば通学途中の電車から、あれはスズメ、あっちはムクドリサイズで尾羽が長めだからヒヨドリ、とかね。
でも、双眼鏡がないと色や模様がわからないよ。
日本の野鳥は約550種いるけど、「地域・季節・環境」という条件から絞り込めば、けっこう限られてくる。どんな地域でも、身近な環境という条件だけで、だいたい30種くらいに絞られると思う。さらに、開けたところ、やぶの中とかの環境要素や、夏鳥なら秋冬には見られないといった季節でも絞り込めるでしょ。
消去法で当てはまらない種をはずしていくのね。その上で大きさの見当がつけば、種名までバッチリたどりつくの?
小さい鳥は種類が多いから、もう少しチェックした方がいい。ただ、色や模様、鳴き声、歩き方、動作、飛び方などのポイントのうち、どれかひとつでも確認できれば種名までわかることも多いよ。

鳥は見分けやすい生物

見分けるにはまず絞り込むこと。でも、いろいろあるポイントすべてがわからなくてもいいのね。
鳥は種数が多くないから、絞り込めば見分けやすい。ただ、中にはベテランでも見分けにくい鳥もいるし、春や秋の渡りの季節には、普段はいない鳥がひょっこりいることもある。調査などで記録を残すような場合は、色や模様も含めて、いろいろなポイントをチェックしておく必要があるけどね。
近くで観察できる虫や植物の方が、鳥より簡単って思ってたけど…。
日本の昆虫の種数は、現在わかってるだけで約3万種、推定で10万種以上とも言われるんだよ。
ひぇー、わかっていない方が多いんだ。それに比べたら鳥は少ないわ。
さらに、鳥と人の感覚は近い。
どういうこと?
鳥たちは姿や声でお互いを認識してるんだけど、鳥の視覚や聴覚は他の生物に比べると人に近い。というか、人は視覚が優れている点では、鳥に近い特殊なほ乳類といえる。獣や虫では匂いやフェロモンで相手を識別していたり、視覚や聴覚も人間とは見え方、聞こえ方がずいぶん違うものが多いんだ。

小さい鳥が多いワケ

図鑑を見ると、身近ではスズメサイズが多いのね。
分類の上でも、世界に約9000種いる野鳥の中で、スズメ目は半数以上。日本でもおよそ4割がそうだ。
小さい鳥が多いのにはワケがあるの?
ひとつには、虫や木の実など食べる物が枝先に多いから、小さく軽い方が都合がよいと考えられる。「生きのびたらラッキー」な自然界では、小さい方が天敵から逃れやすいとか、エネルギー効率がいいってこともあるからね。
なるほど。虫がたくさんいるってことと通じるね。
虫も含めて考えれば、命のサイクルが早いってことも利点かな。小さいと生存率が低く平均寿命が短い一方、世代交代が早いから進化の速度が速く、環境の変化にも適応しやすいというプラス面が考えられる。
なんか、小さい方がお得に思えてきたわ。
絶滅の危機にある鳥やほ乳類を考えてごらん。大きいものの方が多いはずだよ。

企画・文/ネイチャースクール
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