野鳥を楽しむポータルサイト BIRD FAN
HOME > 楽しみ方のヒント > ひなこのお散歩鳥講座 > ひなこのお散歩鳥講座 各回

バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座
NOTE36 見分けのサイン
クリスマスの飾りつけやカモの衣がえなどから冬を感じる今日この頃。さて、野鳥を見分けるには季節や環境などが大事。でも、同じ季節、同じような環境にくらす鳥は、どうやって見分けたらいいの?今回は見分けのポイントをたくさん教えてもらいました。

飛ぶまで待とう!

ひなこ(以下ひ)あっ、ウグイスが鳴いてる。
安西(以下安)よく、気づいたね。
「秋冬に低い茂みの中でジャッ、ジャッって鳴く」って教えてもらってから気にしていたら、この間うちにもいたのよ。
じゃあ、ひなこちゃんちの庭には低い茂みがあるんだね。低地のやぶで冬を越す鳥にとっては、住宅地の庭も大事な環境なんだ。
イラスト
イラスト/小島早恵
ウグイスの他に、やぶがあるとうれしい鳥はいるの?
耳をすましてごらん。今、ここでも聞こえる鳥だよ。
ウグイスより細い声?
うん。低い茂みでジャッ、ジャッならウグイスで、チッ、チッならまずこの鳥。春夏は北海道や山地で子育てして、秋冬は本州以南の低地ですごすんだ。
うーん、何だろう。やっぱりウグイスみたいに日陰者なの?
開けたところにはあまり出てこないからね。ただ、ウグイスと違って地上でお食事していることが多いから、しゃがんで探してみよう。
奥の方にスズメくらいの大きさの鳥がいるけど…。
そう、それ。ホオジロの仲間でアオジのはず。黄色い腹にまだら模様が見えないかな?
遠いし暗いから、色はわからないわ。
それじゃ、飛ぶまで待とう。飛び立つ時に尾羽の両側が白いはずだから。

飛ぶと目立つワケ

あっ本当だ。飛んだら尾に白いすじが見えた。でも、それだけでアオジってわかるの?
尾羽の脇が白いのはホオジロ、ヒバリ、シジュウカラの仲間など、秋冬に群れる小鳥に多い特徴なんだ。止まっているとよく見えないけど。
ふーん、どうして飛ぶ時にだけ目立つの?
スズメ目に分類される小鳥の尾羽は十二枚あるんだけど、止まっている時は外側の尾羽は下にたたまれてるから、下から見ないと目立たない。飛び立つ時に尾羽が広がって、白い外側の羽根が目立つんだ。
なんか意味があるのかな?
飛ぶと目立つ模様って、群れる鳥にけっこうあるんだよ。カモの翼の模様や、身近な鳥ではカワラヒワもそうだね。
カワラヒワの翼の黄色いとこね。止まっていると斑点だけど、飛ぶと帯みたいに見えるわ。
種や仲間によって違う意味もあると思うけど、群れる鳥の場合、危険信号のような役割が考えられる。天敵に囲まれている自然界では休んでいる時や食事中は目立つと不利だけど、もし一羽が危険を察知して飛び立つ時に目立つとしたら…。
周囲の鳥は自分も危ないことに気づく! なるほど。彼らはいっつもまわりを気にしてないといけないから大変ね。
野生生物の世界は毎日が命がけ。同じ種類では同じようなくらし方をしてるから、増えすぎたら困るという事情もある。
食糧難、住宅難になっちゃうもんね。
私たちが出会う野生生物は、そんな厳しい自然界を生きのびてきた一部なんだ。だから「どうやって生きのびてきたか」って視点を持つと、わかっていないことが多い中でも「なぜ・どうして」の答えが推理しやすくなるよ。

どうやって絞り込む?

だけど、ホオジロの仲間って何種類もいるでしょ。ヒバリだって尾の脇が白いのよね。さっきの鳥がアオジだって、どうやって絞り込んだの?
ヒバリは開けたところにしかいない。声が似ているミヤマホオジロは、スズメやアオジより尾羽が少し長いんだ。
それなら…ほら、カシラダカだっていう可能性は? カシラダカもチッ、チッと鳴くって図鑑に書いてあるよ。
このあたりの庭や公園ではミヤマホオジロやカシラダカは珍しいから、まずアオジを想定していい。それに慣れてくると声の質の違いもわかる。カシラダカは軽い感じのチッで、ティッって言ったらいいかな。アオジは鋭いチッで、金属的という表現もある。ちなみにクロジはまろやかなチッ。
ひえー、そこまでわかんないよ。声もポイントってのはわかるけど。
いいんだよ。慣れなきゃわからない微妙な違いなんだから。僕だってわかるようになるまで何度も聞いて、十年近くかかったかな。
それで前回、慣れるためにも「好きになる」とか「おもしろいって感じること」が大切って話をしてくれたのね。
案内する時には最初から細かい見分け方を話すと逆効果ってこともある。ただ、見分けるポイントが姿かたちだけじゃないってことは紹介しておいた方がいいんじゃないかな。要はその場でわかることより、興味を持つことやわかり方を知ることが先だからね。
いろんなわかり方があると知って、だんだんと覚えていけばいいのよね。他におもしろいわかり方ってない?
例えば、カシラダカはアオジより群れのサイズが大きく密集していて、一度飛び立つと高く舞い上がって遠くまで行っちゃうことが多い。アオジは飛び立っても近くの茂みの中へ移動して、遠くには飛ばないことが多い。
アオジやウグイスは恥ずかしがりやなのね。
普段のくらしからは想像しにくいけど、日本列島を北から南、国内でも山から低地へと渡る時なんかは、ばっと開けた大空を飛んでくるんだろうなぁ。
…にしても、小鳥の渡りって夜が多いのよね。やっぱりシャイだわ。

企画・文/ネイチャースクール
注)今回はバードウォッチング案内人研修会のテキスト第4章「案内の内容と方法、基本種の知識」に沿った話です。
ページトップへ
アカコッコからの手紙 保護区パトロール日誌 季節の野鳥 フォトギャラリー ライブカメラ 動画ギャラリー よくある質問と回答 野鳥ことば事典 参考となる図書・資料 当会へのお問い合わせ ご入会 ご寄付 ネットショッピング 財団法人 日本野鳥の会とは 個人情報の取扱いについて リンクについて サイトマップ 野鳥ジグソーパズル 4コマまんが 野鳥にまつわるアレやコレ 野鳥クイズ 野鳥神経衰弱ゲーム