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バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座
NOTE35 11月 慣れる、比べる、絞込む
紅葉を楽しんだ後はバードウォッチングにもってこいの時期。葉っぱが落ちると野鳥の姿が見やすくなるんですって。これまで、名前がわからなくても気にせず観察を楽しんできたけれど、やっぱりいろんな鳥を見分けたい!今回は見分けるコツを聞いてみました。

ベテランはどうしてすぐわかる?

イラスト
イラスト/小島早恵
安西(以下安)あっ、モズだ。
ひなこ(以下ひ)えー、あの点に見えるのがモズなの?
モズの仲間はよく目立つところにとまるから望遠鏡にセットしやすいんだ。ほら、のぞいてごらん。
スズメより尾羽が細長いようには見えるけど、くちばしとかよく見えないわ。
尾羽を動かしていないかな?
うん、ぐるぐる回すように振ってる。それが決め手なの?
アカモズやチゴモズも同じ動作をするけど、彼らは夏鳥だから今頃は日本にはいないはず。おっ、今度はウグイスがいたよ。
このジャッ、ジャッって声ね。茂みの中から聞こえたわ。でも、なんでそんなにすぐ鳥がわかっちゃうの?
見つけたり、見分けたりするのが早いのは、季節や環境によって「ここにはこの鳥がいるはず」って思っているからさ。『新・山野の鳥』(本会発行)の8ページ「野鳥の見分け方」を見てごらん。
「慣れる、比べる」それから「絞り込む」って書いてある。
「絞り込む」では「地域、季節、環境によって、どんな種の鳥がいるかはだいたい決まっている」って書いてあるでしょ。
そっか、くらし方の違いですみ分けてるんだもんね。
秋の低地では、農地や河原、林の周辺などの少し開けた環境でモズが目立つようになるんだけど、最近、都市部ではモズが減ってるから気にかけてたんだ。だから気づくのも早いんだと思う。
じゃあ、さっきのモズは貴重なんだね。
かつてはこの公園で繁殖もしていたんだけど、これからは秋冬を過ごしてくれるかどうかを見守っていきたいね。『ハチクイは旦那が実家に入り浸り*1』っていう本で紹介されてるんだけど、イギリスでは身近な鳥だったセアカモズが1989年には絶滅、スイスやアメリカのオオモズ、ヨーロッパ全域にいるヒメオオモズも減ってるらしい。
モズの仲間は世界的に気にしておくべきなのね。ウグイスにすぐ気づいたのも気にしていたからなの?
このあたりでは、ちょうど今頃が初認*2される時期なんだ。それで、ウグイスのすみかである低木の茂みに注意してたってわけさ。

見つける、見分けるは能力じゃない

名前がわからなくたって、感性や想像力で鳥を楽しむことができるって聞いたけど、やっぱり私も見分けられるようになりたいな。
名前がわかるってことは、種がわかるってこと。どんな種の鳥が、その地域のどんな環境で、いつ、どのくらい、どのようにくらしているのかってことがわかれば、そこで野鳥や自然を守るための基礎データになる。
だったら案内人にとっても、見つけ方や見分け方の解説って大切よね。
前回まで、名前や由来について話してきたんだけど、その目的は覚えてる?
まず、興味や関心を持ってもらうってことよね。
見つけ方や見分け方の解説も同じところがある。身近な鳥に関心を持ち、慣れ親しむことがまず先。出会う鳥についても、身近な鳥と比べて特徴をチェックすることが大切なんだ。その意味ではひなこちゃんがさっきのモズをスズメより尾が細長いって表現したのはグッドだった。
へっへっへっ、ほめられちゃった。「慣れる、比べる」ってことよね。
イラスト
イラスト/加藤明子
「慣れ」が必要ということは、その場ですぐに見分けられなくてもしょうがないってこと。慣れるためにまず関心を持ち、また、見分けたいと思う人はどうすれば見分けられるかを知って、希望を持って続けることだ。
なるほど「希望を持って」ね。うちのお母さんに言ってあげよう。「私は目があまりよくないからバードウォッチングはダメ」って言ってるから。
視力や聴力がよくなくても、慣れによって見つける、見分ける、聞き分ける人がたくさんいる。例えば今飛んでいったのはメジロだけど、どうしてわかったと思う?
えー、スズメじゃなかったの?
スズメより小さかったよ。公園などの身近な環境でスズメより小さい鳥は、まずメジロ。そう思って耳を澄ましてたら、チィーって声も確認できた。目がいい、耳がいいにこしたことはないけど、スズメ、ムクドリ、ハト、カラスなどの大きさの基準になる鳥との比較ができないとね。
そのくらいの鳥なら知ってるけど…。
案内をするには、知ってるだけじゃなくて、身近な鳥にも関心を向けてもらうようにして、その見つけ方、見分け方を解説しておくといいんだ。
なるほど、そうすればそれを聞いた人は自分の家のまわりでも気にかけるようになるわ。
まず、身近な鳥がわかるようになるには日頃から気にすること。探鳥会などで教えてもらうのもいいけど、やっぱり自分で気づくって嬉しいよね。
最初は苦労するかもしれないけどね。
簡単に覚えたことは簡単に忘れちゃうって格言を聞いたことがある。苦労した分、忘れないよ。勉強も同じかも。
うっ、苦労してます…。

企画・文/ネイチャースクール
*1 ニコラス・ウェイド編、安西英明監修、木挽裕美訳、翔泳社、1998年 戻る↑
*2 ある地域において、ある季節に定期的に渡来する種が、その季節に初めて確認されること。→初認日=初めて確認された日。 戻る↑
注)今回はバードウォッチング案内人研修会のテキスト第4章「案内の内容と方法、基本種の知識」に沿った話です。
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