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こんにちは!ひなこです。前回は、鳥の呼び名は国によって違うので、学名という万国共通の名前がある、というお話でした。英語の呼び名もいくつか教えてもらったら、苦手な英語がなんだかおもしろくなってきました。今日は他の鳥の英名も聞いてみようっと。
遅い子育て

イラスト/小島早恵 |
ひなこ(以下ひ)あれ? あのスズメたち、親子だわ。翼をばたばたさせて餌をおねだりしてるのがいるよ。
安西(以下安)どれどれ…本当だ。ほっぺの黒い斑点の色が、まだ薄い幼鳥がいる。
ひもう独立している子どももいる時期なのに、2度目の子育てかしら?
安スズメでは8月、ときには9月頃まで、子育てを繰り返すペアもいるからね。
ひ繰り返すのは、優秀な親鳥ってこと?
安小鳥の場合、若い段階で死ぬのが多いから平均寿命は2年もないようだ。生きのびるのはほんの一部だけど、学習や経験を積んでるから、案外したたかなんじゃないかな。
ひベテラン夫婦だと子育ての成功率が高いかもね。
安うん。ただ、昨年生まれの若いペアが、失敗を繰り返しながら、ようやく夏になってヒナを巣立たせるところまでたどり着いたって場合もあるかもしれない。
ひあの幼鳥、まだぼーっとしてるから、望遠鏡に入れて他の人にも見せてあげようよ。
安ひなこちゃんも、だんだん案内人の気持ちになってきたね。
案内人にとって名前とは?
ひところで、案内する時におもしろい英名や地方名を知っていると、鳥に関心を持ってもらうきっかけになるって言ってたよね。
安普通、名前がわかるってことは、その生物が「なんという種か」がわかること。種は生物の基本的な単位で、種によってくらし方や形態がだいたい決まっているから、種がわかることは、その生物を理解する第一歩と言える。
ひでも、案内人の目的は学問的な話をすることではないから、学名まで知らなくてもいいのよね。
安うん。種ごとの学名や知識より、いろんな種がいて、それぞれの姿かたちに応じたくらし方の違いがあって共存してるってことが大事だと思う。ただ、名前がわかるとその生物に親しみがわき、興味や関心が続くってことがあると思うんだ。
ひそっか、関心を持ってもらうには、英語の名前とかでもいいってことか。
英名あれこれ

イラスト/加藤明子 |
安例えば、ハシブトガラスの英名は知ってる?
ひJungle Crow(ジャングル・クロウ)でしょ。環境庁のビデオ*1
で勉強したんだ。都心で増えているけど、元は森林性の鳥だったんだって。
安沖縄や東南アジアでは、ハシブトガラスは町に多い鳥ではなく、ジャングルでくらしてるよ。英名からそんな話に広げられれば、「なんだカラスか」じゃなくなると思う。じゃあ、ヒヨドリの英名は?
ひえー、知らない。ヒヨバードじゃないだろうし…。
安Brown-eared Bulbul(ブラウンイヤード・ブルブル)。
ひ茶色の耳って意味ね。私にもわかる英語だし、特徴を表してるわ。ブルブルがヒヨドリの仲間ってこと?
安そう。南西諸島のシロガシラはChinese
Bulbul(チャイニーズ・ブルブル)。ブルブルの語源はアフリカらしいんだけどはっきりしないんだ。それはともかく、カルガモのSpot-billed
Duck(スポットビルド・ダック=斑点のあるくちばしのカモ)、ウミネコのBlack-tailed
Gull(ブラックテイルド・ガル=黒い尾のカモメ)なども見た目の特徴を表している。今頃はまだシベリアにいると思うけど、ユリカモメはどうかな?
ひカモメの仲間だから、なんとかガルよね。
安Black-headed Gull(ブラックへッデッド・ガル)。
ひブラックヘッド? 頭が黒いのは夏羽でしょ。日本では冬鳥だからブラックでは困るんじゃない?
安イギリスでは夏も見られるから、それが基準になってるんじゃないかな。ムクドリのGrey
Starling(グレイ・スターリング)なんて傑作だよ。 ひグレイって灰色よね。からだが黒っぽいからね。スターリングって何のこと?
安星模様という意味で、日本ではホシムクドリと呼んでる鳥。それを基準にしてムクドリの英名がついた。キセキレイは何だと思う?
ひセキレイがワグテイルだから、イエローワグテイルかな?
安ところがGrey Wagtail(グレイ・ワグテイル)なんだ。Yellow
Wagtail(イエロー・ワグテイル)と呼ばれるのは、より黄色が目立つツメナガセキレイという日本では珍しい鳥なんだ。
ひ名前をつける基準や目のつけどころが違うのね。
安メジロがWhite-eye(ホワイトアイ)というように、欧米にいない鳥では日本の名前を英語に直訳してるのもあるよ。
ひ英語も楽しくなってきたわ。他のも教えて!
安声からついた名前では、カケスの仲間がJay(ジェイ)、習性に由来する例では、ヒタキの仲間のFlycatcher(フライキャッチャー=飛んでいる虫を捕るもの)、とびの仲間がKite(カイト=凧)。
ひ凧か。トビはあまりはばたかないで飛んでるもんね。
安ゴイサギのNight Heron
*2 (ナイト・ヘロン=夜のサギ)は、夜行性だからついた名前。ついでにアオサギはGrey
Heron(グレイ・へロン)だけど、日本では青みがかった灰色としてアオサギとなった。日本人の微妙な色彩感覚を表していてすばらしいって人がいるよ。
ひでもそれほど青くはないから、「詐欺」だなんて人もいるかもね。
企画・文/ネイチャースクール
*1 環境庁のカラスの被害防止対策推進事業に本会が協力して作成された。(参照/2000年5月号43頁) 戻る↑
*2 ゴイサギの英名には、黒い冠の意味でBlack-crowned(ブラッククラウンド)が頭につけられることが多い。 戻る↑
注)今回はバードウォッチング案内人研修会のテキスト第4章「案内の内容と方法、基本種の知識」に沿った話です。
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