野鳥を楽しむポータルサイト BIRD FAN
HOME > 楽しみ方のヒント > ひなこのお散歩鳥講座 > ひなこのお散歩鳥講座 各回

バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座
NOTE28 3月 身近な鳥ってどんな鳥?
虫も起き出す啓蟄!なんだかウキウキするのは、春が近づいているからかな。早くも鳥たちのさえずりが聞こえてくるようになりました。さえずりって、自分のなわばりを宣言してお嫁さんを呼ぶ、言わばラブソング。あれ?細い声で歌っているのは誰かしら。

イラスト
イラスト/小島早恵
さえずりの覚え方

安西(以下安)メジロのさえずりが聞こえるよ。
ひなこ(以下ひ)う〜ん、よくわかんないわ。
メジロの場合は複雑で、覚えやすい方ではないからね。春が近づくとともに、さえずりが始まるってことを知っておけばいいんじゃないかな。
でも、チュイーっていう地鳴き(一年中、オスもメスも出す声)はわかるようになったんだから、さえずりもわかるようになりたいわ。
覚え方のコツは、全部覚えようとしないこと。結局、全部忘れちゃうことが多いからね。簡単なものから覚えていくといい。さえずりでは、シジュウカラのような単純な繰り返しなら覚えやすいよ。

ツッピーとかツツピーの繰り返しよね。メジロみたいに難しいさえずりは、どうやって覚えたらいいの?
じゃあ、メジロのさえずりの聞きなし(鳥の声を人の言葉に置きかえること)を教えてあげよう。「長兵衛、中兵衛、長中兵衛」とか「チルチルミチル青い鳥」などがある。実際はこれを早口で二回繰り返すくらいの長さかな。
早口ことばみたい。複雑な歌なのね。
てっとり早いわかり方もあるよ。身近な鳥のさえずりで、早口、複雑、長いのはメジロかツバメ。常緑樹の高い所から聞こえてくるならまずメジロ。

全国的に一年中見られる鳥

なるほど。でも、身近な鳥って地域によって違うんじゃない?
おっ、いい所に気がついたね! バードウォッチング案内人研修会では、『新・山野の鳥』『新・水辺の鳥』で身近な鳥や基本種とした種を「基本27種」としたんだ。
その27種を知っていればいいの?
バードウォッチング案内人とは「フィールドマナーを守るバードウォッチングを通して、自然との共存という考え方を伝えられる人」という意味で、野鳥の知識が多ければいいってわけじゃないけど、知識を得ようとしたら優先順位が必要だからね。
まず27種程度は知っているようにしよう、ということね。それが身近な鳥ってこと?
もちろん地域で違いはあるけど、おおよそ日本全国で、人家付近でも一年中見られる鳥が6種いる。
スズメにコゲラ、あと、カラス?
ハシボソガラスは南西諸島にはいないから、三つめはハシブトガラス。他にシジュウカラ、ヒヨドリ、それから野鳥ではないけどドバト(カワラバトを原種に改良された伝書鳩などが野生化したハトの俗称)。その他は地域的例外がある鳥だ。
キジバトは北海道では夏鳥って聞いたわ(参照/NOTE4)。
アイヌ語では耕作の鳥という意味のトイタチカプって呼ばれ、キジバトが春に渡って来たらマメをまくなんて話も聞いたことがあるよ。
今頃、北をめざすキジバトがいるかもね。ムクドリが全国的じゃないのも意外だわ。
九州では冬鳥だったり、少ない地域もあるから、ものさし鳥としてはムクドリよりヒヨドリがいいんだって。奄美大島では、ムクドリやハシボソガラスはルリカケスよりめずらしい鳥かもしれない。
ところ変われば鳥変わるってことね。まあ27種くらいなら私もすぐに覚えられるわ。
ただし見分け方だけではなく、種ごとの分布・環境や食性、季節による違いなどもね。それらは見つけ方のポイントにもなるし。

イラスト
イラスト/加藤明子

えーっ! 日本での分布は表でわかるけど、前に聞いたコゲラの話みたいに世界的な視点もいるんでしょ。
共存のしくみや考え方を理解し伝えることが大切。種ごとの細かい知識はそのための手段だから、あまり心配しないで。
くらし方は種によって違うし、季節や地域でも違いがあって、それが共存に結びついていることをわかっていればいい?
そう、それが基本。次のステップとして、おおざっぱな傾向からとらえるといいと思う。「多くの小鳥は春夏は虫などの動物質を食べ、秋冬はタネなど植物質も食べる」とか、「同じ日本でも分布は北と南で大きく違う」とかね。そもそも相手のくらし方をわかろうとしないままに保護とか共存ってできないんじゃないかな。おっともう一つ、「いかにわかっていないか」ってことも大事。
身近な鳥でもあまり調べられていないのよね。一年中見られるヒヨドリも移動してて、どこのヒヨドリがどこまで行くのかもわかっていないんでしょ?(参照/NOTE23
さらに、鳥類は学習能力もあるから習性や分布も変わりうる。例えば、ヒヨドリが夏も身近で見られるようになったのは30年ほど前からだし、一方モズのように身近な環境から減っている鳥もいる。
じゃあ、まずはこの公園の鳥から知るようにするわ。


研修会で示している基本27種のうち、全国的に1年中見られる身近な鳥
全国的に1年中見られる コゲラ、ヒヨドリ、シジュウカラ、スズメ、
ハシブトガラス、ドバト
全国的に1年中見られるが、北部や南部で例外がある種
コサギ 北海道で夏鳥(まれ)、
南西諸島で冬鳥
モズ 北海道で夏鳥、南西諸島では島によって違いがある
カルガモ・キジバト・メジロ 北海道で夏鳥
トビ 南西諸島でまれ ホオジロ 北海道で夏鳥、南西諸島でまれ
カワラヒワ 南西諸島で旅鳥 ムクドリ 北海道で夏鳥、九州以南で冬鳥
ハクセキレイ・ウミネコ 北海道で夏鳥、南西諸島で冬鳥 ハシボソガラス 九州以北(屋久島や沖縄では記録がある)
  • 「身近な鳥」=「一般的に観察頻度が高い種」として、全国的に庭や公園、都市近郊の農地など人のくらしの近くでも見られる鳥をおおまかにリストアップしたもの。小笠原諸島のようにスズメやカラスが分布しない島もある。さらに諸島部では島ごとの違いもある。また、ここでは北海道で夏鳥とした種でも道内での違いや越冬例があるなど、あくまで目安に過ぎない。ウミネコについては港では普通に見られるが、庭や公園で見られると言う範疇ではない。
企画・文/ネイチャースクール

注)今回はバードウォッチング案内人研修会のテキスト第5章「地域の鳥」と、第4章「基本種の知識」の一部に沿った話です。
ページトップへ
アカコッコからの手紙 保護区パトロール日誌 季節の野鳥 フォトギャラリー ライブカメラ 動画ギャラリー よくある質問と回答 野鳥ことば事典 参考となる図書・資料 当会へのお問い合わせ ご入会 ご寄付 ネットショッピング 財団法人 日本野鳥の会とは 個人情報の取扱いについて リンクについて サイトマップ 野鳥ジグソーパズル 4コマまんが 野鳥にまつわるアレやコレ 野鳥クイズ 野鳥神経衰弱ゲーム