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バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座
NOTE26 1月 マガモ+カルガモ=マルガモ!?
明けましておめでとうございます。じゃーん!今日は初詣ついでに和服でバードウォッチング。どう?私もなかなかのものでしょ。でも、派手さでは冬のカモのオスに負けるカモ。着物に双眼鏡も何なので、公園の池で間近に見られるカモを観察することにしました。
イラスト
イラスト/小島早恵

基本は共存

ひなこ(以下ひ)カモの仲間って同じ池に何種類もいるけど、共存できてるのかしら?
安西(以下安)共存の原則として“種が違うと、すむ場所や食物が違うから争いが避けられる”って話はしたよね。
だから日本で約550種、地球上で約9000種も鳥がいてもあまりケンカはないのよね。
そう。地球に数千万種もの生物が共存しているということは、数千万通りのくらし方があるってこと。カモの仲間の中でも、オシドリは森に囲まれた池、オナガガモは開けた水面といった具合に微妙に好みは違うはずだし、採食場所や繁殖地では種ごとの違いはよりはっきりしている。ただ、公園の池は昼間の休息地であることが多いから、いろんな種が一緒になっても争わないんじゃないかな。
なるほどね。でも、タカがカモを襲うように、天敵っていう存在もあるよね。
天敵がいるから、特定の種が増えすぎない。自然のバランスから見れば、共存というしくみに貢献しているんだ。それに、食べられる側は食べる側より多くの子孫を残すから食べ尽くされることはない。
ふーん。そうやってムダな争いが避けられているのね。あれあれ、でもあそこにケンカしてるカモがいるよ!
人が餌を与えるようなところでは、場所や食物の好みを超えて種や数が集中しすぎるから、争いが起きやすいんじゃないかな。

カモのあやまち

カモたちはオスが派手な羽に換わったから、もう結婚シーズンよね。
カモの仲間は同じ越冬地で結婚シーズンを迎えるものが多いから、誘う側のオスが選ぶ側のメスにわかりやすいよう、その種独特の衣装に衣替えするんだ。
イラスト
イラスト/加藤明子
間違って結婚しちゃうこともあるの?
うん。カモのメスがどの種でもよく似ているのは、類縁関係が非常に近い証拠なんだ。だから、交雑って呼ばれる間違いが起きることが、まれにある。例えば、お父さんがマガモ、お母さんがカルガモで、二種の特徴を合わせ持ったカモが生まれたり…。
そのカモは、新種になっちゃうの?
マガモとカルガモで「マルガモ」なんて呼ぶ人もいるけど、一代限りで子孫を残せないから、新種にはならないんだ。

亜種は結婚できる?

じゃあ、亜種とは結婚できるの?
バードウォッチングの基本的なことは『新・山野の鳥』(日本野鳥の会発行)に整理してあるから見てごらん。12ページの用語解説で、まず「種」はなんて書いてあるかな?
えーと、「種とは分類の基本単位。一つの種は同じ形態とくらし方を持ち、遺伝的に独立している」。
そう。遺伝的独立とは、同じ種なら結婚して子孫を残せるということ。例えば、アヒルはマガモを改良した鳥で、種としてはマガモだから、アヒルとマガモは結婚して子孫も残せる。だけど、カルガモとは種が違うから子孫を残せない。
ふむふむ。亜種は「同じ種でも、地域によって姿かたちに違いがある場合、一つの種をさらに“亜種”として分けることがある」だって。
同じツグミという種でも、茶色味が強いの弱いの、胸の斑が濃いの少ないのといろいろな個体差がある。それ以上の違いで、腹が橙色をしたツグミもいるよ。ハチジョウツグミという亜種名で呼ばれ、日本に普通に渡来する亜種ツグミより西側で繁殖しているんだけど、まれに日本にもやって来る。
お腹が橙色なんて、アカハラみたいね。
典型的なハチジョウツグミとアカハラは見た目は似てるけど、種が違うから結婚できない。それにアカハラは日本近辺でしか繁殖しないから交雑することもない。それより、亜種ツグミと亜種ハチジョウツグミは同じ種で結婚できるから、その中間タイプ、つまり普通に見られるツグミみたいにまだら模様が混じっているものもいる。
やだぁ、ややこしい〜!
亜種は野外で見分けられない場合も多いし、まだ詳しく調べられていない点も多いから、『新・山野の鳥』では、外見上あきらかに違う亜種以外は原則として扱っていない。
カモのメスやカモメみたいに種を見分けるのも難しいのがいるのに、亜種まで見分けようとしたら大変ね…。私は「何してるか」がわかればそれで十分楽しいな。
そう! 種が見分けられなくても楽しいという人もいるよ。ツグミの名前を知らなくて「胸まだらちゃん」って自分で名前をつけて楽しんでいる人もいた。「どうしてそんな姿をしているのか?」って見方もあるし、何の仲間か考えるのもいい。何カモメかより「どうしてカモメの仲間は翼が細長いのか」とか、カモのメスが見分けられるより「平たいくちばしだからカモの仲間」ということが解説できることが案内人には必要だと思うんだ。
そう言えばカモメの翼はどうして細長いの?
風の強い開けた環境で、飛びながら食べ物を探すでしょ。
そっか、翼が短かったり太かったら都合悪いわね。
仲間や種ごとのくらしに応じて、それぞれの姿がある。さまざまな姿があるってことは、いろんなくらし方で共存してるってことでもあるんだ。

企画・文/ネイチャースクール
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