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バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座
NOTE23 9,10月 野鳥も人も地球のなかま
夏鳥や旅鳥が南に去り、冬鳥が北からやって来る秋。鳥にとっては大変な時期だけど、いろんな鳥が見られるチャンス!今日は渡り鳥の話から、はるか宇宙の話まで広がっていきます。どうしてバードウォッチングから宇宙なのかって?よ〜く話を聞いてみて。
イラスト
イラスト/小島早恵
見た目でわかる渡り、
わからない渡り


安西(以下安)ほら、ヒヨドリたちが渡って行くよ。
ひなこ(以下ひ)どうして渡りってわかるの?
10月は渡る時期だし、普段のヒヨドリより群れがまとまっていた。飛び立つ時には甲高い声も出すけど、上空で群れがまとまると、弱い声で鳴き交わしながらだいたい西か南へ向かうし…。日頃からよくウォッチングしていれば、いつもと何か違うって感じるはずさ。
ヒヨドリって、図鑑には1年中見られるって書いてあるけど…。
1年中見られる鳥でも、移動していないとは限らないよ。
えっ、じゃあスズメも移動するの?
年中見られても、同じスズメかどうかはわからないでしょ。夏にいた「スズメ太郎」は移動して、冬には「スズメ次郎」が来ているかもしれない。新潟で足輪を付けられたスズメが岐阜や岡山で、北海道で放されたハシボソガラスが茨城で見つかったりしている。最近は、若い鳥は秋に移動する傾向があるという見方があって、親鳥から子どもが遠ざかることは、近親交配を防ぐ意味でプラスになるとも考えられている。
ふーん、さっきのも若いヒヨドリだったのかしら。
まだ調べられていないし、どこまで渡って行くかも謎なんだ。ただ、南西諸島では冬になると、南下して来たと思われるヒヨドリが加わる。
どうしてわかるの?
南西諸島のヒヨドリは色が濃いんだけど、冬にはそれより薄いものもいるから推測できる。でも、そんなに多くはないらしい。
もっと南まで飛んで行くのもいるのかしら?
ヒヨドリの分布は日本近辺だけ。台湾やフィリピンの一部で見られるけど、多くはないようだ。
ヒヨドリの渡りについてもナゾだらけなのね。
少なくとも関東では、春に北上して来る“夏鳥ヒヨドリ”、秋に南下してくる“冬鳥ヒヨドリ”、秋にもっと北から来て南に渡る“旅鳥ヒヨドリ”の3タイプはいるんじゃないかな。同じヒヨドリが移動していないことがわかれば、留鳥タイプもいることになる。

私たちってラッキー?

そう言えば、春や秋の夜には、たくさんの鳥が渡ってるのよね。昼に渡る鳥は太陽、夜に渡る鳥は星を目印に飛んでるらしいって聞いたわ。(参照/NOTE13「あなたのそばにも渡り鳥」
ツグミやアカハラは、キュッキューとかチーって声が夜空から降ってくるからわかるよ。
よ〜し、今夜は耳をすまして渡りをキャッチするわ!
今日は星もよく見えそうだから、渡りだけじゃなく、地球という星の奇跡も感じてほしいな。たくさんの星の中で、どうして地球にだけたくさんの生命が息づいているのかってね。
だいたい星っていくつあるの?
太陽の周りを、地球や火星などの惑星が回っているのが太陽系。太陽のように自ら光と熱を出しているのが恒星で、僕たちの銀河系は恒星が二千億個くらい集まってできている。さらに、そのような銀河系が宇宙全体に一千億個はあると言われている。
気が遠くなりそう…。宇宙人だっているかもしれないわ。
宇宙に生命がないとは言えないけど、今わかっている範囲では地球だけ。しかもちゃんとワケがある。46億年前、惑星の一つとして地球が生まれたんだけど、太陽にもっと近いところなら灼熱の星に、より遠いところなら氷で覆われていたはず。サイズもより小さければ薄い大気しか持てなかったし、逆に大きければ濃い水素やヘリウムの大気に覆われていた。
そうしたら生命が誕生することはなかったのね。地球の位置や大きさが、ラッキーだったってことか。
空気と水と土をもとに、植物が太陽の光で光合成を行うことは知ってるよね。
私たち動物は、植物が光合成で作った栄養分を取り入れることで生きていけるって習ったよ。
そう。僕たちが呼吸する大気中の酸素も、光合成によって追加されてきたわけだから、生物の進化とともに植物が作ってきたと言える。酸素が増えてオゾン層ができたことで、有害な紫外線をさえぎることもできるようになった。それが五億年ほど前。海で生まれた原始的な生命が、背骨を持ち、さらに陸を目指す時代がその後に続くってわけさ。
私たちが今生きているのは、地球と生物の進化のおかげなのね。
ただ、生き物がすめる生物圏は、水が液状で、光合成が可能な空間に限られる。地球を直径43センチのボールに例えると、生物圏は1ミリもないんだ。
うひゃー、びっくり!!
野鳥や自然を感性で楽しんだり、美しさやすばらしさを人に伝えることは科学的知識がなくてもできるけど、客観的なものの見方をするのに科学は重要なんだ。知り得ていることはまだ少ないけど、僕たちの今日がいかに奇跡的か、同時に単なる偶然ではないことがわかるはずだよ。
そっか。人も鳥も、こんなにスゴイ星の一員なのね…。今夜は、渡り鳥といっしょに星もじっくり見てみようっと。
イラスト
イラスト/加藤明子

企画・文/ネイチャースクール
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