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バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座

子育てもそろそろ本番を迎える頃、いろんな行動が見られそうで、すっごく楽しみです。
夫婦のお仕事、役割分担さまざま

ひなこ(以下ひ)あれっ、あのカラス、枝をくわえてるわ。
安西(以下安)お母さんガラスだ。
えー、どうしてお母さんてわかるの?
春の鳥たちは巣作りやヒナへの給餌で何かを運んでいることが多いんだけど、ハシブトガラスの巣作りはメスが中心らしい。
お父さんは何してるの?
メスが巣材を運ぶのを見守っているというか、監視してるというか、近くにいるはずだよ。シジュウカラやカワラヒワもそのタイプなんだけど、巣作りはメス中心のようだね。
子育てってやっぱりお母さんの方が大変なの?
哺乳類ではメス中心の子育てが一般的だけど、鳥の世界ではオスも協力することが多い。卵という未熟な段階で子どもを外に出す鳥類では、オスの手助けがあった方がよいからと考えられるんだ。オスはなわばり防衛のような役割が主で、巣作りや抱卵などはメス中心という種が多いようだけど、ヒナが誕生するとヒナへの給餌はオスも参加するのが一般的だね。
オスの方が子育てをよくする、なんて例はあるの?
オスが子育ての中心になる鳥にはタマシギやヒレアシシギ類、ミフウズラなどがいる。ちなみにこの鳥たちは、メスが派手でオスが地味なんだ。考え方としては、子育てを中心にする方が地味ならば、敵に見つかりにくいと言えるだろうね。オスもメスも子育てをしない鳥の場合はどうかわからないけど。
ええっ、そんな鳥がいるの? じゃあ、子どもはどうやって育つの?
カッコウとかホトトギス、ツツドリ、ジュウイチなどがその仲間なんだけど、彼らは「托卵」といって、他人の巣にこっそり卵を産んで、他人に育ててもらうんだ。
むむ〜。ちょっとずるい気もする・・・しかし、子育てもいろいろね!
そうだね。スズメやツバメ、ムクドリ、メジロなどはメスオス共同で巣作りするし、カワセミやアカゲラのようにオスの方が働く鳥もいる。キジバトではオスが枝を運んでメスが組むし、セッカでは外装をオス、内装をメスという分担がある。ところで、さっきのカラスなら、まだ外装を作っている段階のようだったね。
本当に?どうして?
くわえていたのは大きな枝だったでしょ。巣作りが内側に進めば枝は細く小さくなるはずだし、仕上げの段階は卵を産むところ、つまり産座だから、やわらかい獣の毛などを運ぶんだ。あのスズメを見てごらん。
毛糸を運んでいくわ。
スズメの巣材は枯れ草だから、毛糸は産座用かもしれないね。もうじき巣ができて、卵を産むんだろう。それじゃ、今日はスズメが通ったら、何を運ぶか見ていてごらん。

思いやりウォッチングのススメ

あっ! あのスズメは何か白いものをくわえてったわ。
白く見えたならフンじゃないかな? 親がヒナに給餌した後、ヒナがしたフンを運んで行ったのかもしれない。子育てが順調に進行した場合、関東では五月初旬からスズメやシジュウカラのヒナが巣立ちが始まる。だいたいヒナがかえってから巣立つまでが二週間前後だから、四月末にはかえっているヒナがいるはずさ。ほら、そこのスズメは何を運んでいる?
あっ、虫をくわえてる!
うん、三センチ以上の芋虫だから、ヒナはかなり育っていることがわかる。最初は小さな虫をあげるからね。ヒナが育ってくるとその声が聞こえてくるようにもなるんだよ。どこかでスズメのヒナが鳴いてないかな?
ちょっと待ってね。う〜ん、“シーシーシー”って、この声がそうかしら。
おっ、これはシジュウカラのヒナの声だ。どこかに巣があって、親が餌を持って来ている所のようだね。ちなみにスズメのヒナなら“シリシリシリ”って声さ。(突然)あー、駄目だ。ここから離れよう。
ど、ど、どうしたの?
シジュウカラのお父さんが警戒しているでしょ。
あそこね。虫をくわえたままジュクジュクジュクって鳴いてる。
「近づかないで、野鳥の巣」ってフィールドマナーにあるよね。ツバメのように人をあまり警戒しない鳥もいるんだけど、僕はツバメの親鳥がチュッピーと鋭く鳴いたらそれ以上は巣に近づかないようにしてる。ひなこちゃんも鳥の警戒の声を聞いたら、気をつけなさい。
そんなこと言われたって、どれが警戒の声だかわからないよ。
だったら、巣には近づかないようにした方がいいね。スズメはジジジ、ムクドリはジャーッ、オナガはゲーッとか、種ごとに警戒を意味する声がある。さらに同じ種でも警戒の度合によって鳴き方が違うようなんだ。モズやカラスが飛んでいる時にはムクドリは、ツィッ、ツィッって鋭く鳴くし、シジュウカラもタカが飛ぶと、ジュクジュクでなくて、チッピーチーッなどと鋭い声を出す。
鳥たちの“警戒”のサインを聞き逃さないように、よく気をつけなくちゃね。
うん。野鳥と人、お互い楽しく付き合うには、相手のくらしや習性を知ることも大切だからね。
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