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バードウォッチングを始めよう

 
ひなこのお散歩鳥講座


こんにちは、ひなこです。私ももうすぐ高校一年生。鳥を見る一方で、教科書もちゃんと見てた証拠です、えっへん。これから待っているたくさんの出会いやイベントに、身も心もうきうきします。さて、鳥たちはどんな春を迎えているのかな?
春がいろいろ

安西(以下安)ひなこちゃんちのえさ台になんか変化ない?
ひなこ(以下ひ)大アリ! このところ、えさ台に来る鳥が減っちゃったの!
そうか、ひなこちゃんの庭にも春の兆しだね。冬よりも虫の動きが活発になって、もうえさ台のパンくずとか米粒とかの植物質の食べ物に頼らなくても良くなるから。また、縄張りを持って群れで行動しなくなるからでもある。
なるほど、それで春の兆しかあ。
この時期、鳥たちのいろいろな変化が楽しいよ。ユリカモメやアトリ、カシラダカは羽の色が夏羽に変わってくるし、ゴイサギの若い鳥は目の色が黄色からから赤に変わるし、ダイサギやシメならくちばしの色が変わるんだ。
うわあ、鳥たちの春がいろいろ、いっぱい! でも、春と言えば、鳥たちの結婚シーズンじゃない?それが一番大切なお仕事ってかんじ。
うん。日本で見られる多くの鳥にとって、春は繁殖期のスタートだ。春になるとオスがさえずり始め、求愛してペアができたりしていく小鳥が多い。さて、どうしてこれから繁殖期を迎える小鳥が多いんだろう?
親鳥にとってもヒナにとっても、餌になる食べ物がたくさんあるからでしょ?
そう。餌が見つかりやすい季節は繁殖に有利だろう。子育ては自分たちだけでも食べていくのが大変な鳥たちが、ヒナの餌まで探さなくてはならないんだから。
だったら、一年中餌が見つかりやすい土地では一年中繁殖しているってこと?
熱帯では一年中繁殖してる鳥もいるんだよ。それに対して、日本は温帯だから、春夏秋冬がはっきりしている。それで春に繁殖が始まる鳥が多いんだ。
じゃ、今日はペアの鳥たちを探してみようよ!

オスメス見分けてペアウォッチング

ねえ、今のメジロたちはペアよね。
う〜ん、あやしいけど、いいお友だちなのかも知れないよ。
春に同じ種が二羽でいたら、結婚しているんじゃないの?
可能性アリだけど、メス同士、オス同士かもしれない。オスとメスの組み合わせなら、よりペアの可能性が高まるんだ。
とりあえず、さえずっている方がオスなのよね。
うん。さえずりっていうのは普通はオスがメスを呼ぶラブソングの意味や縄張り宣言といった意味があるからね。ただ、ヒバリのようにメスもオスほどじゃないけれどさえずっちゃうという例外もあるよ。
オスメスの他の見分け方は?
まずは色や模様。カワラヒワでは緑が濃い方、ムクドリでは黒味が強い方がオスなんだ。
シジュウカラならネクタイの太い方がオスで、細い方がメスだったよね。あっ、オスメスの大きさでは違いはないの?
大きさで分かるものもいるよ。ワシ・タカ、フクロウの仲間はメスが一回り大きい「ノミの夫婦」だ。ツバメだったら、オスの方が尾が長い。ただ、小鳥の場合は、大きさの違いでオスメスを見分けるのは難しいだろうね。
色と、模様と、大きさ・・・っと。(フィールドノートに記入する)ん?それじゃ、さっきのメジロとか、カラスの仲間はどうやって見分けるの? 色はいっしょだし、大きさでは分からないし。
いいところに気がついたね。姿形で見分けることのできない鳥たちは、もう一つ興味深い見分け方があるんだ。
なになに?
ペアの行動ウォッチングだ。「何をしているか」という視点で彼らの行動をウォッチングしてみると、ペア独特の行動が見られるかも知れない。

ラブラブ行動を見る

自分の結婚相手にしかしないラブラブな行動があるの?
ん。自分一羽が生きていくことさえ大変な自然界の厳しさを考えると、そういうラブラブな行動がいかに相手を特別に思っているか、親密な行動なのかが実感できると思うよ。
そんなにペアの愛情表現ってすごいの? いつもぴとっとくっついてるとか?
そう。他の鳥と自分の相手との鳥同士の間隔の取り方は大きく違う点だね。鳥たちは群れでいても、くちばしがふれあわないくらいの距離を他の鳥と保っているようなんだけど、ペアにはその境界ラインを許して、ペアの絆を深める様々なラブラブ行動をとる。
どんな、どんな?
例えば、オスが、メスに“一番大切なもの”をプレゼントする行動があるんだ。
プレゼントできる”一番大切なもの”って、もしかして、食べ物?
あたり! それを求愛給餌と呼んでいる。カラスの仲間やシジュウカラ、カワラヒワ、モズ、カワセミなどに見られる行動だよ。
そういえば去年、コアジサシがプレゼントするところを見たわ。なんども失敗して、やっと捕まえたサカナを毎回メスにあげちゃうの。オスはいつ餌を食べるのか、なんだか心配になっちゃったわ。
他には、相互羽づくろいといって、ペアの場合は二羽がお互いの羽づくろいをしあうような行動もある。これはメジロやハト・カラスの仲間に見られるんだ。
ふむふむ。羽づくろいも大切な仕事のひとつよね。
そうだね。鳥たちにとって、羽を清潔に保って、脂をぬることは保温効果を保ち、飛ぶ機能を維持するため、生きていくための大切な仕事だ。
そんな大切な仕事を他人にやってもらったり、やってあげたりするなんてかなり親密な証拠よね。
繁殖活動で雌雄の役割分担がある程度決まっている種はこれらの行動以外にも、行動から雌雄が推測できるよ。
どんなところで分かるの?
例えば巣材運び。ハシブトガラスではメスの場合が多いらしいんだ。オスが巣材運びをしているのを見たこともあるけど、多くは手伝うといった感じだった。また、この後、卵を抱く時期になれば、抱くのはメスだけのようなので、見当がつくんだ。
ペア独特の行動も探せばいろいろありそうね。今年の春はペアウォッチングを極めよっと!
春は、いろんな場所、意外な場所でペアが見られるから、じっくり見てごらん。
例えば公園の芝生とかね。お弁当ひろげて求愛給餌したり、ひざまくらで相互羽づくろいしているのもいるし、そっちもじっくりウォッチングしたら面白そう。
・・・ヒトのペアのウォッチングはほどほどにしなさいね。

企画・文 ネイチャースクール

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