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こんにちは、ひなこです。朝の空気がいっそう冷たくなって、水たまりの氷はパリパリ、霜柱はざくざく、北風小僧はいっぱい。うう、寒い〜!こんな日も、山野の鳥たちは激しい風の中、水辺の鳥たちは冷たい水の中・・・大丈夫かなあ。
同じサギでも戦法が違う
ひなこ(以下ひ)
見て、池の水際に白いサギがいる!
安西(以下安)
ん? 本当だ。さーて、何サギかわかるかい?
ひ
えっと、くちばしが黄色いからコサギじゃなくって・・・、チュウサギかダイサギかな?
安
チュウサギは南日本以外では夏鳥だから、冬にくちばしが黄色い白いサギがいたらまず、ダイサギってことになる。
ひ
ふむ。野鳥を見分けるには季節もポイントになるのね。
安
他にも見分けるポイントがあって、動作もあるんだよ。例えば、ダイサギの動きを見てごらん。
ひ
動きっていっても、さっきからあのダイサギ、ず〜っと動かないわ。
安
どうして、じっとしてるのかな?
ひ
ただぼーっとしてるんじゃないんだろうけど・・・寒いから動きたくないのかな。
安
寒い時は、羽を膨らませたり、足やくちばしを羽の中に入れると思うけど、あのダイサギは、水面を見てる。ほら、くちばしが下を向いてるでしょ。きっと、サカナを狙ってるんだよ。
ひ
でも、コサギはあんまりじっとしていないわよね。
安
小型のコサギは浅瀬を歩きながら魚を捕ることが多いし、時には足を震わせてサカナを追い出して捕る。大型のダイサギは、待ち伏せ戦法でサカナを捕ることが多い。歩く場合だってコサギより大股でゆっくりなんだ。
ひ
動きがはやいとコサギで、ゆっくりだとダイサギなの?
安
もちろんコサギがじっとしていることだってあるんだけど、見分ける目安になるね。それと大事なことだと思うんだけど、同じサカナを食べる鳥でも、捕り方に違いがあるってことは、それぞれの方法で捕られやすいサカナの種類も多分違って来るはずだ。
ひ
深いところが好きだったり浅いところが好きだったり、いろんな魚がいるってことね。
安
そう、種ごとにすみかや食物が違うことは、無駄な争いを防いで自然界の共存に貢献してると思うんだけど、食物を捕る場所、季節、捕り方の違いも関係しているんだ。
ひ
そうか。同じサギでも、チュウサギは季節が限られているし、コサギやダイサギの足の長さが違いで、立てる水辺も違ってくるわよね。
安
そう! ゴイサギの場合は主に夜に活動するなんていう時間帯の違いもある。サギ以外に水辺に暮らす鳥では、カルガモの食物は水草だし、ハクセキレイは虫だ。
同じ実を食べても、食べるところは違う
安
こんどは小鳥のお食事を見てみよう。あそこのネズミモチの木に、ヒヨドリやカワラヒワが実を食べに集まっているでしょ。
ひ
わあ、ほんとだ。いっぱいいる!
安
ヒヨドリは実を丸のみにしてるよね。
ひ
丸のみにしてタネはフンで出すから、小鳥が木の実を食べることで植物が運ばれるんでしょ。
安
そうだね。じゃ、カワラヒワはどうかな?
ひ
実をくわえて・・・、あれっ、なんかくちばしでモグモグしてるわね。
安
カワラヒワ、シメ、イカルのようなくちばしが太い小鳥って、実は他の小鳥と違って、実の中のタネを食べているんだ。モグモグしながら実の周りを落として、中のタネを割って食べちゃうらしい。
ひ
えっ、そしたら全部の小鳥が植物を運ぶ役割ってわけじゃないんだ。
安
そうだね。春夏には主に虫を食べるから、虫をつまみやすい細長いくちばしの小鳥が多い。だから秋冬に木の実を食べる時には丸飲みするのが多いんだけど、太いくちばしの鳥もいて、それは堅い食物を割るのに適してるって言える。
ひ
じゃ、カラスは? カラスって太いくちばし組にはいるの? 長いくちばし組にはいるの?
安
カラスやカモメみたいに、太くて長いなんてよくばったくちばしは、なんでも食べちゃう雑食性なんだ。だから彼らが増えすぎてギャングになるんで困っちゃうんだけど、基本的には、種ごとの姿かたちの違いが、暮し方の違い、共存に関係しているってわけさ。
お作法のワケ
ひ
鳥たちのお食事をウォッチングしてると、自然界の共存のしくみが見えて来るのね。
安
うん。鳥という生物は大食いだ。だから、鳥がいるってことはその背景に沢山の生物が関わっていることになるんだけど、とにかくよく食べ、よく出しているはず。何をどうやって食べているのか、食物とくちばしなどの体つきや動作との関係など、見所はたくさんあるよ。
ひ
そこに、一億年以上も生きのびてきた鳥たちの秘密がかくされているのよね。
安
そうだね。生物の姿かたちや行動、暮らし方にはちゃんとワケがあって、僕は「う〜ん、なるほど!」なんてうなっちゃうことが多いんだ。でも、ワケがあるからこそ、生きのびて今に至っているんだと思うよ。
ひ
あ! さっきのダイサギ、サカナを捕ったよ。
安
じゃあ、さっそく食べ方を見てみよう。さて、サカナの頭からのむか、尻尾からのむか?
ひ
えっ、そんなの決まってるの?
安
サギに限らず、カモメやカワセミも同じなんだ。ま、見ててごらん。
ひ
わっ、頭の方からだ!
安
そう、尻尾からはのみ込みにくいでしょ。鱗やひれがひっかかって。
ひ
う〜ん、なるほど!
企画・文 ネイチャースクール