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ひなこのお散歩鳥講座

こんにちは!ひなこです。今日もいつもの公園にやってきました。この公園の池にも、カモ達がふえてきて、にぎやかです。わーい、うれしいな。
でも、その中に変なカモがいるのよね。カモの仲間のメスみたいに地味な茶色なんだけど、胸が白っぽいの。うーん。なんなんだろう。あのカモは。安西さんに聞いてみよっと!
見たことないカモ・冬鳥到来!

ひなこ(以下ひ)あのね!あのカモ、図鑑に載ってないの!
安西(以下安)どこ?
ほら、向こうの池の淵。
あ、あれ?オナガガモのオスだ。衣替えの途中なんだよ。
衣替え?
カルガモ以外の多くのカモは冬鳥として秋に日本にやってくるけれども、渡ってきたばかりのオスはメスのような地味な羽をしているんだ。これから、求愛シーズンの冬に備えて、オス達は、派手な羽に衣替えするんだよ。
じゃあ、これから衣替えするカモがまだまだいるってことね。でも、渡ってきたカモって、どうやって見分けられるの?
それは、簡単!カルガモ以外のカモたちはほとんど北の国からの渡り鳥だからね。
カモ以外に、北から来る鳥はいる?
町中でも見られる小鳥では、ツグミやジョウビタキなどがそうだよ。
ツグミやジョウビタキ?・・・わ、あんなちっちゃな鳥も渡ってくるんだ。
以前、フェリーで苫小牧から仙台に向かったときにね、海上で南下していくツグミの群に出会ったんだ。僕でさえ立っているのがやっとの大嵐の中、船の甲板に200羽以上のツグミがバラバラと降って来た。ツグミは一生懸命甲板にへばりつこうとするけれど、ミツユビカモメがやってきて、弱ったツグミを容赦なく食べていったんだ。
ツグミがかわいそう。
でも、ミツユビカモメにしたって、食べなければ生きていけないわけで…。自然の世界では、生き延びた一部だけが次の子孫をになうことで、増えすぎないようにバランスが保たれているわけだからね。
私たちが出会うツグミたちもカモたちも、雨や嵐を乗り越えて、天敵からも逃げ切って生き延びてきた鳥たちなのね。

意外な鳥が渡ってる?冬鳥のさまざま

渡りって、本当に大変だわ。
でも、渡り鳥ってひとくちに言えないくらい、いろんなタイプがあるって知ってる?
えっと、まず、秋にやってきて冬越しして、春に北の国に帰る冬鳥でしょ。
そう。
それから、春にやってきて子育てして、秋には南の国に渡る夏鳥でしょ。
うんうん。
あとは、春と秋に通り過ぎる旅鳥よね。
あたり!だけど、日本で冬鳥のツグミが、シベリアでは夏鳥にあたるように、日本国内でも地域によって違う場合があるんだ。
えっ!冬鳥は冬鳥じゃないの?
渡りをしないといわれている鳥の中にも、地域によっては冬鳥として飛来する鳥がいるんだよ。
なぬ!
例えば、キジバト。キジバトは北海道では夏鳥とも言えるんだ。春夏に見られるけど、秋冬はいなくなるからね。
え、あのキジバトが?じゃあこの公園にも、北海道生まれは来てるのかな。
東京の公園にいるキジバトは人に慣れちゃって、人間が近づいても恐がらないのが増えてきてるよね。ところが、秋冬になると、やけに警戒心の強いキジバトがいるんだ。もしかしたらそいつは、春から夏にあまり人がいないところで育ったキジバトかも知れない。
う〜ん、年中同じ所にいるようで、ホントは「北の国から」のキジバトがいるかもしれないのね。
野鳥の暮らし方は、種類ごとに違うのが原則だけど、同じ種でも、地域などによる違いがあるんだ。意外と知られていない渡りのタイプは、結構あるんだよ。(表参照)



わ!ホントだ!結構身近な鳥も移動しているのね。ウグイスやアオジって、山から平地に移動して来るって聞いてたけど、北海道から南下してきてるかもしれないのね。
鳥の名前は、慣れてくると意外と簡単に分かるものが多いんだけど、どの鳥がどんな暮らしをしているのかは、意外と知られていない。渡りにしても、まだよく分かっていないってことだね。渡りのルートを調べることは大切なのにね。

渡り鳥とその生息地の保護

渡りのルートを調べることが、どうして大切なの?
野鳥を保護するって、どういうことか知ってる?
よくわかんないけど、檻に入れて保護するってことではないよね。
うん。野鳥は野鳥だけでは生きられないでしょ。生物はみんな、住みかや食物が必要だ。渡り鳥の暮らしを考えれば、彼らを守るというのは、繁殖地と越冬地と、中継地(移動経路)を守るって事なんだ。それが分からなければ、保護するって難しいだろ?
なるほど。
例えば、日本の一般的な冬鳥の繁殖地はロシア方面だから、日本だけでなく、ロシア方面も視野に入れなくてはならない。さらに・・・
日本とロシアをつなぐ渡りの中継地も保護しなくてはならないのね。
そうだね。野鳥が暮らすことのできる森や林、草地などの多様な自然だけでなく、渡りの中継地となる干潟やたんぼなども大切だということだね。いろいろな地域に様々な環境があってこそ、暮らし方の違う様々な種が生きていけるんだから。
でも、私の家の周りなんて、都市化しちゃってて、それらしき繁殖地も、越冬地も、中継地も見あたらないわ。
ほら、よく考えてごらん。身近なキジバトだって移動するのがいるんだよ。キジバトだけじゃなく、いろんな種がいて、その種の中でさえ様々なタイプの暮らし方があるってことは、それぞれがそれぞれの繁殖地、越冬地、中継地を持っているということだ。
野鳥の目から見たら、どんな環境もそれぞれの種にとって、意味があるのね。
そうだね。ほんの小さな自然や市街地の自然だって、長い渡りをする鳥が立ち寄ってひと休みすることだってあるかも知れない。
ホント、そうね!
例えば、住宅地の庭や、この公園の道の周りにある薮も大切なんだ。
どうして薮なの?
低地の薮を残すことは、ウグイスの越冬地を守ることにつながるんだ。ウグイスは秋冬は本州以南の平地で冬を越すから、薮が切り払われたら、ウグイスたちは冬、行き場がない。
身近な薮からも野鳥保護ができるのね。

企画・文:ネイチャースクール

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