最終回(2010年8月号) 「スズメの羽根も抜けかわるのですか?」
多くの野鳥で換羽(定期的な羽毛の抜けかわり)は成鳥で繁殖が終わるころ、幼鳥(※)では生後2〜3か月です。左右対象に、スズメでは初列風切の内側から外側に進行し、4枚目が抜けた頃に雨覆羽や尾羽(中央から外側へ)、5枚目が抜けた頃に次列風切(外側から内側へ)の換羽が始まるなど、規則的に、2か月ほどかけて抜けかわり、飛行能力の低下を抑えています。渡りをする種ではより短期間で換羽し、一時的に飛行能力を犠牲にするものがいます。 ※中心の羽軸からのびる多数の枝(羽枝)が連結して面を成すのが正羽で、ひなに最初に生える正羽を「幼羽」、幼羽が生え揃った段階を「幼鳥」と呼ぶ。
スズメやヒヨドリの幼鳥は全身換羽で、秋以降は成鳥と見分けにくくなりますが、一部を幼羽のまま換羽せずに冬を越す種では、幼羽が確認できればまだ若いことがわかります。 私は「生物多様性の理解には、私たちヒトという動物について知ることも欠かせない」と主張していますが、鳥類の羽毛はヒトを含むほ乳類の毛に相当します。抜けかわることだけでなく、ケラチンというタンパク質でできている点も同じで、脊椎動物の進化の観点からは先輩にあたる、爬虫類などのうろこがルーツであると考えられています。 ●上記の換羽の順番は野鳥誌86年8月号(羽毛特集)の尾崎清明さんによる「鳥の衣がえの不思議」を参考にしました。