第36回(2008年4月号) 「鳥の目が白く見えることがあるのは、どうしてですか?」
脊椎動物の進化の中で、両生類の時代にできた瞬膜は、まぶたを閉じなくても瞳を保護したり、乾燥を防ぐことができるもので、爬虫類、鳥類と受け継がれてきました。ただ、閉じるのはほんの一瞬で、透明なものが多いので、ほとんど気づかれません。体も目も大きなダチョウやワニではわかりやすいのですが、野鳥では黒いカラス類が瞬膜が白っぽいので観察しやすく、私たちの瞬きと同じくらいの頻度で、閉じているようです。夜行性で嗅覚を発達させたほ乳類では退化し、私たちヒトでは目頭の内側にあるピンク色の肉のようなものがその名残です。
カモ類などのまぶたが下から上に閉じるのは、天敵であるタカ類をいち早く察知するのに、目が上から開く点で有利と考えられます。「カワガラスは瞬膜が白い」という解説を聞くことがありますが、カワガラスもカモ類同様に白い下まぶたをよく閉じるので、それが瞬膜と間違われているのでしょう(瞬膜は半透明で、水中では閉じるはず)。カラス類を見ていると、瞬膜を閉じるほど頻繁にはまぶたを閉じません。ドバト(カワラバト)ではしばしば上まぶたを閉じているように見えますが、ハト類はまぶたと瞬膜を同時に閉じると記したものもあり、それぞれの鳥に何らかの事情や理由があるものと思われます。