第3回(2005年6月号) 「どうして野鳥のヒナを拾ったらいけないのですか?」
【学習と自立】 巣立ち直後のヒナはうまく飛べなかったり、人が近づいても逃げなかったりもしますが、親鳥についている短期間(小鳥では1週間から1か月ほど)に学習し、自分で食物をとるようになって独立していくのが原則です。 【手を出すとしたら】 ヒナを救うには、状況の判断、種の識別、種ごとの習性や保護飼育の知識、技術が必要です。保護飼育に取り組んでいる施設に持ち込めば対応してくれることもありますが、元々ヒナの生存率は低いので、生かすには大変な労力を要し、人に慣れて野外復帰させられなくなる鳥も多いこと、本来は捕獲段階で行政の許可を得なくてはならないことを知っておきましょう。
野生生物は他の動物の食物になることが多く、ヒナは無事に巣立ったとしても、自立、移動、越冬などと試練が続くので、生きのびるのは僅かです。そのため、増えすぎて食物やすみかが不足することがないのが普通です。また、滅びることがないのは、冬を生きのびた一部は春にはもう子育てを始め、毎年繰り返す(しかも子沢山が普通)ためです。子育て中の小鳥は2、3分おきに1日300回も虫を運ぶことがざらです。ヒナの生存率を上げるために誰でもできることとして、野鳥のくらしを知り、むやみに虫を殺さない、虫のすみかを奪わないことなどがあります。